[P99-4] PICUにおける治療デバイス管理を目的とした身体抑制の質向上に向けた取り組み
【背景】
小児集中治療室(以下、PICU)では身体抑制方法の客観的な評価ツールが確立されておらず、看護師個人の経験に依拠した身体抑制の選択がなされる傾向にある。小児の認知発達の未熟さや鎮静下での管理については、小児看護経験の豊富な看護師であっても判断にばらつきが生じることがよくある。そのため、治療デバイス管理を目的とした身体抑制方法や鎮静深度の共通認識のあり方についてチームで取り組み、検討したためここに報告する。
【方法】
第一段階:現状把握アンケート、第二段階:勉強会開催、第三段階:状況評価アンケート。
病棟の全看護師を対象に、デバイス別の身体抑制方法の判断と実践に関するアンケートを実施した。次に小児看護の既存の知見と経験豊富な看護師の知見を統合した上で、デバイス別の身体抑制に関する視点とポイント、鎮静深度との関連について勉強会を実施した。第一段階と第三段階のアンケートは同じ内容で実施し、動向を比較した。
【結果】
第一段階では、小児の年齢やADLを踏まえたデバイス別の身体抑制の考慮について、看護師の経験年数によるばらつきが見られた。小児看護経験7年目以上の看護師は年齢やADLを考慮しながら身体抑制方法を検討しているのに比べ、メンバー役割のみの若年層看護師は年齢別で身体抑制方法を検討しているが、ADLに関する意識が低かった。また、リーダー役割を担い始めたばかりの中堅層看護師は、7年目以上の看護師と比較するとADLへの意識が低かった。第二段階では、7年目以上の看護師がどのように年齢、ADLを捉えて身体抑制方法を検討しているか聴取し、知見を整理して病棟の全看護師を対象にデバイス別の検討すべき身体抑制方法について勉強会を行った。第三段階では、小児の年齢やADLを踏まえたデバイス別の身体抑制の考慮について、若年層が7年目以上の看護師に近づく形となった。一方で、中堅層は7年目以上の看護師と比較して大幅に身体抑制を実施する傾向が見られた。
【結論】
看護師の経験値がデバイス管理のための身体抑制に影響を及ぼすことが明らかになった。デバイスの特性や小児の身体機能や発達、ADLに応じた身体抑制方法の検討について判断の視点を看護師間で共有することは、多様な治療状況に応じたデバイス管理と身体抑制の均一化につながると考える。今後、治療デバイス管理を目的とした身体抑制の均一化が維持できるよう学習機会をセッティングしていきたい。
小児集中治療室(以下、PICU)では身体抑制方法の客観的な評価ツールが確立されておらず、看護師個人の経験に依拠した身体抑制の選択がなされる傾向にある。小児の認知発達の未熟さや鎮静下での管理については、小児看護経験の豊富な看護師であっても判断にばらつきが生じることがよくある。そのため、治療デバイス管理を目的とした身体抑制方法や鎮静深度の共通認識のあり方についてチームで取り組み、検討したためここに報告する。
【方法】
第一段階:現状把握アンケート、第二段階:勉強会開催、第三段階:状況評価アンケート。
病棟の全看護師を対象に、デバイス別の身体抑制方法の判断と実践に関するアンケートを実施した。次に小児看護の既存の知見と経験豊富な看護師の知見を統合した上で、デバイス別の身体抑制に関する視点とポイント、鎮静深度との関連について勉強会を実施した。第一段階と第三段階のアンケートは同じ内容で実施し、動向を比較した。
【結果】
第一段階では、小児の年齢やADLを踏まえたデバイス別の身体抑制の考慮について、看護師の経験年数によるばらつきが見られた。小児看護経験7年目以上の看護師は年齢やADLを考慮しながら身体抑制方法を検討しているのに比べ、メンバー役割のみの若年層看護師は年齢別で身体抑制方法を検討しているが、ADLに関する意識が低かった。また、リーダー役割を担い始めたばかりの中堅層看護師は、7年目以上の看護師と比較するとADLへの意識が低かった。第二段階では、7年目以上の看護師がどのように年齢、ADLを捉えて身体抑制方法を検討しているか聴取し、知見を整理して病棟の全看護師を対象にデバイス別の検討すべき身体抑制方法について勉強会を行った。第三段階では、小児の年齢やADLを踏まえたデバイス別の身体抑制の考慮について、若年層が7年目以上の看護師に近づく形となった。一方で、中堅層は7年目以上の看護師と比較して大幅に身体抑制を実施する傾向が見られた。
【結論】
看護師の経験値がデバイス管理のための身体抑制に影響を及ぼすことが明らかになった。デバイスの特性や小児の身体機能や発達、ADLに応じた身体抑制方法の検討について判断の視点を看護師間で共有することは、多様な治療状況に応じたデバイス管理と身体抑制の均一化につながると考える。今後、治療デバイス管理を目的とした身体抑制の均一化が維持できるよう学習機会をセッティングしていきたい。