第46回日本集中治療医学会学術集会

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Pros & Cons

[PC3] Pros & Cons3
感染症治療最前線2:VAP予防目的でカフ上吸引付き挿管チューブを使用するか否か?

Sat. Mar 2, 2019 2:40 PM - 3:20 PM 第4会場 (国立京都国際会館1F アネックスホール2)

座長:藤田 直久(京都府立医科大学附属病院感染対策部), 瀬尾 龍太郎(神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター)

[PC3-1] カフ上吸引付き挿管チューブでVAPを予防しよう!

奥村 将年 (愛知医科大学 医学部 麻酔科学講座)

ARS(視聴者参加型アンケートシステム)使用】

みなさんは商品AとBのどちらを選択しますか?

『商品Aは昔から使用されており突出した機能はないですが値段はお手頃で,Aしか知らなければ特に不満はありません。商品BはAにはなかった新機能がついたことにより,Aを長く使うことで発生するトラブルが50%減少します。ただし,本当に効果を発揮する新機能の使い方はよくわかりません。Bの値段は少し高いですが,Aに起こるトラブルの対処費用を計算すると実はBの方が費用対効果が優れています。世間における商品Bの評判はよく,その道のプロもBを推奨しています。』

以上の説明を読むと多くの人は商品Bを選択するのではないでしょうか。もちろん【商品B=カフ上吸引付き挿管チューブ】です。カフ上吸引付き挿管チューブによるVAP予防については20以上のRCT,5以上のmeta-analysisが発表されており,VAPの予防効果が明らかになっています。現在のエビデンスからは48時間以上の人工呼吸管理が予測される,またはVAPのリスクが高い症例にはカフ上吸引付き挿管チューブを使用するのがよさそうです。
人間は合理的・論理的な生き物です。しかし,最終的には感情によって意思決定すると言われています。今回のPros & Consでは,勘定的にも感情的にもカフ上吸引付き挿管チューブを使用するという意思決定を下していただけるようにプレゼンテーションします。