[PD12-1] 医師の立場からのPICS対策
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近年、集中治療患者の死亡率の改善に伴い、生存した患者に発症するPICS(Post-Intensive Care Syndrome:集中治療後症候群)が注目を浴びている。身体障害、認知障害、メンタルヘルス障害に大別されるように、その症状は多岐にわたるため様々な対策や改善策が求められている。当院ではPICS予防のために集中治療期間中の早期リハビリテーションや家族の積極的な面会を推奨している。また臨床工学室やリハビリテーション科のスタッフとも協力しながら、ECMO使用中や入院して間もない患者にもリハビリテーションを積極的に行いPICSの発症予防・予後改善に努めている。さらに医師の立場では、ICUにおけるせん妄予防、適切な輸液量、人工呼吸器装着期間の短縮、不要なカテーテルの抜去などを常に念頭に置きながら集中治療患者の治療にあたっている。新しい試みとして、2018年からPICS外来を開始し、集中治療後の患者を社会復帰させる方策を試みている。PICSは全ての集中治療患者に関わる大きな問題である。現在、PICS対策として何がわかっていて、何がわかっていないのかを明らかにすると共に、医師の立場から今後のPICS対策とPost intensive careに向けた改善策を提言する。