第46回日本集中治療医学会学術集会

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パネルディスカッション

[PD13] パネルディスカッション13
(危機管理委員会企画) ICUは東京オリンピック・パラリンピック2020にどう備えるべきか

Sun. Mar 3, 2019 2:00 PM - 3:30 PM 第1会場 (国立京都国際会館1F メインホール)

座長:川前 金幸(国立大学法人山形大学医学部附属病院麻酔科), 成松 英智(北海道公立大学法人札幌医科大学救急医学講座)

[PD13-3] 2020年東京オリンピック・パラリンピック開催中の救急災害医療体制に係る学術連合体の取り組み

森村 尚登1,2 (1.東京大学 大学院 医学系研究科 救急科学分野, 2.2020年東京オリンピック・パラリンピック学術連合体 合同委員会)

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【背景】大規模国際イベントの1つであるオリンピックは、期間中の開催地域の一時的な人口増加に伴う救急需要の増加をもたらし、通常の救急医療システムの運用に大きな負荷を与える。また熱中症などの疾病の増加やテロによる同時多数傷病者発生事故(MCI)のリスクを有している。そこで、予測できる傷病者への救急医療だけでなく、テロなどを想定した災害医療対策を準備し、訓練を積んで検証しておくことが極めて重要とされている。【目的】このような体制作りを学術的に支援することを目的として2016年4月に結成された「2020年東京オリンピック・パラリンピックに係る救急・災害医療体制を検討する学術連合体(AC2020)」(2018年10月現在23団体)の取り組みについて報告する。【AC2020の取り組み】構成団体の当該委員会選出委員による合同委員会がタスクフォースとなり、学術的情報を収集して検討を重ね、主にウェブサイト(http://2020ac.com/) から提言、マニュアルやセミナー情報等を発信している。今までに6つの体制構築に係る提言、2つの銃創・爆傷の診療のマニュアル、日本全体における重症熱傷と東京と周辺地域における集中治療室のキャパシティ調査をリリースしている。加えて本学会は「集中治療室(ICU)のための災害対応と準備についてのガイダンス 第1版」をアップロードしている。現在は9つのテーマ(熱中症、落雷、MCI(院外・院内対応)、外国人関連、看護、アスリート関連、救護者関連、記録)別のワーキンググループを作り、2019年初頭を目途にマニュアルやガイドを策定中である。【結語】AC2020は、有識者・専門家集団にとっての情報発信のための「プラットフォーム」となり、市民や計画策定関係者にとっての情報収集のための「ポータル」となることを目指している。本邦におけるマスギャザリング医療対応の礎となるよう、関連多学会の結集による学術的情報の発信を続け、検討内容を次回大会(2024年パリ)に繋げていく。
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