[PD13-5] 2020東京オリンピック・パラリンピックでの熱傷多数傷病者発生時の集中治療室の役割
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多数熱傷患者が発生した場合、現場での評価判断と処置、医療機関における初療と転送判断、専門施設における根本治療を要する。診療は(1)生理学的な危機に対する対症療法と、(2)熱傷に特有の診療、(3)コンサルトや高次転送など根本治療への橋渡し、に集約され、その他の外傷初期診療と同様の構造である。ただし平時より熱傷初期診療を日常的に経験する医師は少数である。
日本熱傷学会ではこれまでに、米国熱傷学会ABLS(advanced burn life support)コースを12回開催し、上記の要点を押さえた熱傷学会会員かつABLS providerが325名となった。一般的なSTART法のみではアンダートリアージを来す。緊急度より重症度を勘案したトリアージgridが提唱されている。
熱傷診療経験が比較的豊富な施設であっても、その日の初療チームが必ずしも熱傷初期診療に日常的に接しているとは限らない。24時間以内の専門施設への転送が望ましいが、それ以降の診療についてISBIのpractice guidelineも参考になる。熱傷専門医や専門医施設には形成外科的な専門性と救命救急的な専門性、集中治療的な専門性が混在しているため、ABLS provider distributionを合わせて考えると集団災害時のシステム確立やcapacity概算の参考になる。
日本熱傷学会が全国の救命救急センター、熱傷専門医認定研修施設、東京都熱傷救急連絡協議会参加施設、および熱傷学会災害ネットワーク検討委員会委員が推薦する施設、計309施設を対象に行った調査では284施設から回答を得た。分散搬送として集中治療室で受け入れする熱傷患者のいわゆるsurge capacityは各施設で概ね1~3人、集中治療病床数は関東で193、北海道、東北、北陸・甲信、東海、近畿、中四国、九州でそれぞれ28、45、27、47、99、67、67の計573であった。
多数傷病者発生時に上記のcapacityを参考に貴重な病床をマネジメントすることが求められる。
日本熱傷学会ではこれまでに、米国熱傷学会ABLS(advanced burn life support)コースを12回開催し、上記の要点を押さえた熱傷学会会員かつABLS providerが325名となった。一般的なSTART法のみではアンダートリアージを来す。緊急度より重症度を勘案したトリアージgridが提唱されている。
熱傷診療経験が比較的豊富な施設であっても、その日の初療チームが必ずしも熱傷初期診療に日常的に接しているとは限らない。24時間以内の専門施設への転送が望ましいが、それ以降の診療についてISBIのpractice guidelineも参考になる。熱傷専門医や専門医施設には形成外科的な専門性と救命救急的な専門性、集中治療的な専門性が混在しているため、ABLS provider distributionを合わせて考えると集団災害時のシステム確立やcapacity概算の参考になる。
日本熱傷学会が全国の救命救急センター、熱傷専門医認定研修施設、東京都熱傷救急連絡協議会参加施設、および熱傷学会災害ネットワーク検討委員会委員が推薦する施設、計309施設を対象に行った調査では284施設から回答を得た。分散搬送として集中治療室で受け入れする熱傷患者のいわゆるsurge capacityは各施設で概ね1~3人、集中治療病床数は関東で193、北海道、東北、北陸・甲信、東海、近畿、中四国、九州でそれぞれ28、45、27、47、99、67、67の計573であった。
多数傷病者発生時に上記のcapacityを参考に貴重な病床をマネジメントすることが求められる。