第46回日本集中治療医学会学術集会

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パネルディスカッション

[PD14] パネルディスカッション14
深在性真菌症

Sun. Mar 3, 2019 10:35 AM - 12:05 PM 第2会場 (国立京都国際会館2F Room A)

座長:小林 敦子(宝塚市立病院感染対策室)

[PD14-1] カンジダ血症に対するantimicrobial stewardship (抗菌薬適正使用支援)

竹末 芳生 (兵庫医科大学 感染制御学)

ARS(視聴者参加型アンケートシステム)使用】

各領域で診療ガイドラインが発表されているが、それが広く一般臨床に普及するための、手法として、keyとなる勧告を選択し、それを束として実施するmanagement bundleが報告されている。必須項目:24時間以内に中心静脈カテーテル (CVC)抜去、適切な抗真菌薬の初期選択、適切な抗真菌薬の投与量、眼底検査、血液培養陰性確認、3-5日目での臨床効果の評価、2週間治療投与。該当症例のみ:適切な第2選択薬の選択、経口薬へのstep down。1.非好中球減少患者におけるカンジダ血症を対象として、management bundleをチェックリストとしてprospectiveに使用した場合の、遵守率や各項目の達成率、治療成績(2015年4月1日~2017年9月30日)を以前のretrospectiveな検討(2011年7月~2012年4月)と比較検討した。早期死亡例を除いた検討では, bundle遵守率は65.3%と, 前回全国調査の24.7% より有意に高値となった。療成功率は77.4%, 28日死亡は22.2%と前回調査と差を認めなかった。早期死亡例を除いた検討では, バンドル遵守で死亡は有意に低率となった。早期死亡 (14日以内)のリスク因子はbundle項目非実施 (24h以内CVC抜去, 3-5日目の効果判定抗真菌薬変更), 宿主因子では腎不全/透析, 完全静脈栄養, 重症であった。以上より、カンジダ血症management bundleをチェックリストとして使用することの有用性が示された。2.ボリコナゾール (VRCZ) におけるTDM:CYP2C19の遺伝子多型により代謝能欠損あるいは低下している poor metabolizer (PM) は血中濃度異常高値の要因. PMの発現頻度はアジア人で高くTDM実施の根拠となっている。目標値は、有効性: トラフ値 ≧1~2μg/mL、安全性: トラフ値<4~5μg/mLとされている。通常投与では 5~7日目に定常状態に達するため, 採血はその時点で行うとされているが、最近より早期のTDMも可能との報告も多い。また注射薬からの経口VRCZへのstep downも行われるが、この際経口薬添付文章用量ではなく、注射用量を継続することが必要とされている。経口投与のbioavailabilityは高いが, 必ずしも注射薬と同等なPKではない (60~90%とする報告) 。そのためVRCZ 注から経口へのStep down時には再度TDMが必要である。謝辞:本研究はAMEDの課題番号(JP18fk0108045)宮崎班の支援を受けた。