[PD14-3] 小児の真菌感染症
【 ARS(視聴者参加型アンケートシステム)使用】
小児の集中治療室において真菌感染症と対峙することは決して多くはない。
真菌感染症を疑いβDグルカン等の検査を行っても陽性になることは多くなく、抗真菌薬を使う場面も多くはない。
しかし、真菌感染は忘れた頃に静かに忍び寄り、時に重篤な結果を引き起こす。
本講演ではカンジダ血症を中心に症例を通じて以下のメッセージを伝えたい。
〈痰や尿からカンジダが検出された=治療対象ではない〉
成人と同様、痰や尿から検出されるカンジダを一律に治療対象とすべきではない。それらのほとんどは抗菌薬投与の結果、常在していたものが選択的に検出されるようになっただけである。ただし、新生児の“fungal ball”はその後の侵襲性カンジダ感染に繋がる可能性が高く、治療対象とすべきである。
〈一方でPICUにおいて痰や尿からのカンジダの分離はカンジダ症の予兆の場合がある〉
PICUにおけるカンジダ血症のリスクには、中心静脈カテーテルの存在や複数の抗菌薬暴露、血液腫瘍などの他に“複数の箇所からのカンジダ検出”が挙げられる。痰や尿からのカンジダの検出は一律の治療は必要ないものの、その後の経過によってはカンジダ感染を意識した治療戦略が必要である。
〈カテーテル関連血流感染症の原因菌の一つであるが、発生頻度は多くはない〉
成人同様、カンジダはカテーテル関連血流感染症の原因菌として上位に挙げられる。カテーテル関連血流感染症はPICUにおける感染症の鑑別に常に上がるものの、その発生率は0.5-1件/1000デバイス日程度(年間入室数700例程度で年間1-2件程度の発生)であり、カテーテル関連感染自体が良く出会う疾患ではない。必然的にカンジダ血症に出会う確率は更に下がる。
〈NICU,PICUともに侵襲性の真菌感染症の死亡率は高い〉
PICUのカンジダ血症の死亡率は5割に近く、非常に予後の悪い疾患である。
発生頻度の少なさと予後の悪さにどう折り合いをつけて実際のマネジメントを行うかが悩ましいのがPICU・NICUにおけるカンジダ血症である。
真菌感染症を疑いβDグルカン等の検査を行っても陽性になることは多くなく、抗真菌薬を使う場面も多くはない。
しかし、真菌感染は忘れた頃に静かに忍び寄り、時に重篤な結果を引き起こす。
本講演ではカンジダ血症を中心に症例を通じて以下のメッセージを伝えたい。
〈痰や尿からカンジダが検出された=治療対象ではない〉
成人と同様、痰や尿から検出されるカンジダを一律に治療対象とすべきではない。それらのほとんどは抗菌薬投与の結果、常在していたものが選択的に検出されるようになっただけである。ただし、新生児の“fungal ball”はその後の侵襲性カンジダ感染に繋がる可能性が高く、治療対象とすべきである。
〈一方でPICUにおいて痰や尿からのカンジダの分離はカンジダ症の予兆の場合がある〉
PICUにおけるカンジダ血症のリスクには、中心静脈カテーテルの存在や複数の抗菌薬暴露、血液腫瘍などの他に“複数の箇所からのカンジダ検出”が挙げられる。痰や尿からのカンジダの検出は一律の治療は必要ないものの、その後の経過によってはカンジダ感染を意識した治療戦略が必要である。
〈カテーテル関連血流感染症の原因菌の一つであるが、発生頻度は多くはない〉
成人同様、カンジダはカテーテル関連血流感染症の原因菌として上位に挙げられる。カテーテル関連血流感染症はPICUにおける感染症の鑑別に常に上がるものの、その発生率は0.5-1件/1000デバイス日程度(年間入室数700例程度で年間1-2件程度の発生)であり、カテーテル関連感染自体が良く出会う疾患ではない。必然的にカンジダ血症に出会う確率は更に下がる。
〈NICU,PICUともに侵襲性の真菌感染症の死亡率は高い〉
PICUのカンジダ血症の死亡率は5割に近く、非常に予後の悪い疾患である。
発生頻度の少なさと予後の悪さにどう折り合いをつけて実際のマネジメントを行うかが悩ましいのがPICU・NICUにおけるカンジダ血症である。