[PD15-3] カルバペネム耐性腸内細菌(carbapenem resistant Enterobacteriaceae: CRE)に対する抗菌薬治療
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カルバペネム耐性腸内細菌(carbapenem resistant Enterobacteriaceae: CRE)は世界規模の深刻な問題である。日本でも絶対数はまだ少ないものの分離頻度は増加傾向にあり、もはや対岸の火事ではない。大腸菌をはじめとする腸内細菌科の細菌は、市中および院内双方の代表的な感染症の主要病原菌であるため、これらが抗菌薬の最後の切り札として位置付けられているカルバペネム系抗生物質に耐性を獲得したインパクトはとても大きい。
CREの耐性機序は、カルバペネマーゼ産生(KPC、メタロβラクタマーゼ、OXA型βラクタマーゼ)によるものが多いが、細菌細胞膜透過性とESBLやAmpCなどのカルバペネマーゼ以外のβラクタマーゼ産生との組み合わせによるものもある。現時点で最も多い菌種は肺炎桿菌であるが、いずれの菌種にしても、治療薬は極めて限られており、コリスチン、チゲサイクリン、ホスホマイシン、アミノグリコシドといった通常第一選択として用いられない抗菌薬が治療に用いられる。In vitroの感受性試験では、ミノサイクリンやST合剤に感受性を残す場合もある。
治療にあたっては、臨床経験も臨床研究も限定的で、確立された治療が無いため、感染臓器、重症度、in vitroの感受性やこれまでの知見を総合的に考慮して、患者ごとに個別化することが重要である。CREに対する治療に関する論点として、併用療法、カルバペネムの使用(カルバペネム耐性なのに!)、2種類のカルバペネム併用(!)、コリスチン、チゲサイクリン、アミノグリコシド、ホスホマイシン、アズトレオナム、cefrazidime-avibactam、meropenem-vaborbactamなどがあり、これらに関して解説する。
CREの耐性機序は、カルバペネマーゼ産生(KPC、メタロβラクタマーゼ、OXA型βラクタマーゼ)によるものが多いが、細菌細胞膜透過性とESBLやAmpCなどのカルバペネマーゼ以外のβラクタマーゼ産生との組み合わせによるものもある。現時点で最も多い菌種は肺炎桿菌であるが、いずれの菌種にしても、治療薬は極めて限られており、コリスチン、チゲサイクリン、ホスホマイシン、アミノグリコシドといった通常第一選択として用いられない抗菌薬が治療に用いられる。In vitroの感受性試験では、ミノサイクリンやST合剤に感受性を残す場合もある。
治療にあたっては、臨床経験も臨床研究も限定的で、確立された治療が無いため、感染臓器、重症度、in vitroの感受性やこれまでの知見を総合的に考慮して、患者ごとに個別化することが重要である。CREに対する治療に関する論点として、併用療法、カルバペネムの使用(カルバペネム耐性なのに!)、2種類のカルバペネム併用(!)、コリスチン、チゲサイクリン、アミノグリコシド、ホスホマイシン、アズトレオナム、cefrazidime-avibactam、meropenem-vaborbactamなどがあり、これらに関して解説する。