[PD15-4] C.Difficile感染症に対する治療戦略
【 ARS(視聴者参加型アンケートシステム)使用】
Clostridioides (Clostridium) difficile感染症(以下CDI)は、医療関連感染症の中でも重要な疾患の一つである。本邦においてCDIは感染症法の指定疾患に含まれておらず発症・予後に関する動向は分かっていないが、米国における2011年のCDI国内調査では、年間発症数45万人、再発率18%、30日死亡率6.5%、CDIに費やされた年間医療費は最大で59億ドル、とCDIが患者予後や国の経済に与える損失が大きいことが分かっており、適切な管理が必要である。CDIに対する治療戦略は、リスクとなる抗菌薬やPPIなどの中止、抗菌薬治療、CDI合併症に対する外科的治療、接触感染予防など4つから成る。このうち、当プレゼンテーションでは抗菌薬治療と合併症に対する外科的療法に焦点を当て、国内外のCDIガイドラインで推奨されている治療について前回のガイドラインからの変更点も交えて紹介する。また、国内で新たに使用承認を受けたフィダキソマイシン(商品名:ダフクリア)やベズロトクスマブ(商品名:ジーンプラバ)、倫理的な観点から国内ではコンセンサスの得られていない糞便移植についても触れ、その後の総合討論へつなげてゆきたい。