[PD17-1] アンチトロンビン製剤を再考する
敗血症または重症患者に対するアンチトロンビン製剤の臨床研究では、現在までに4つの系統的レビューおよびメタアナリシスが、矛盾した結果で公表されている。アンチトロンビン製剤使用に対して、ポジティブな結果を示した2つの上記研究は、播種性血管内凝固(DIC)と診断された敗血症患者のみからのデータを使用している。しかし、ネガティブな結果を示す2つの試験は敗血症患者もしくは重症患者全体をターゲットにしている。敗血症に起因するDICの治療薬の有効性を評価する場合、研究対象は、あくまで敗血症性DICの症例に絞るべきと考えられる。我々は、日本の全国データベースを用いて、敗血症性DICの2つのアンチトロンビン製剤に関する研究を発表した。上記のDIC試験は、両方の集団(DIC-重度肺炎、n = 9075、および重度の腹部敗血症、n = 2164)において、アンチトロンビン使用とより良好な28日間の死亡との有意な関連を報告した。敗血症性DIC症例に対して、今こそ、多国間臨床研究が必要である。