第46回日本集中治療医学会学術集会

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パネルディスカッション

[PD2] パネルディスカッション2
各領域研修において集中治療は織り込まれているか?

Fri. Mar 1, 2019 9:40 AM - 11:40 AM 第3会場 (国立京都国際会館1F アネックスホール1)

座長:福井 道彦(音羽病院集中治療部), 松田 兼一(山梨大学医学部救急集中治療医学講座)

[PD2-2] 現状報告 集中治療専門医制度

松田 兼一1,4, 垣花 泰之2,4, 西村 匡司3 (1.山梨大学医学部救急集中治療医学講座/日本集中治療医学会副理事長, 2.鹿児島大学大学院医歯学総合研究科生体機能制御学講座救急・集中治療医学分野, 3.徳島県立中央病院/日本集中治療医学会理事長, 4.専門医制度審査委員会)

 日本専門医機構による、サブスペシャルティ領域における新専門医制度の本格審査が来年度からいよいよ開始される。日本専門医機構によると2019年3月までにレビューシートに基づく調査を終え、4月以降に本格的な審査に入り、9月にもサブスペシャルティ領域のカリキュラム・プログラムおよび研修施設の募集を開始する計画とのことである。
 日本専門医機構は、専門医の定義を国民に標準的で適切な診断・治療を提供できる医師としている。サブスペシャルティ専門医も同様に、基本領域に含まれる特定の領域について標準的で適切な診断・治療が提供できる医師を意味し、一定の診療能力の質が担保されていることの証明であるとしている。すなわち、サブスペシャルティ専門医とは、特定領域の標準的教育を受け、その診療に特化した医師であり、いわゆる「スーパードクター」を示すものではないと明言している。
 サブスペシャルティ領域の専門医認定に関する日本専門医機構の「基本的な考え方」は、機構内のサブスペシャルティ領域検討委員会が議論を重ねてきたもので、2018年12月21日の理事会で了承された。具体的には、サブスペシャルティ領域の専門医認定のためには▽専門医像と社会的使命▽基本領域の承認と同意▽サブスペ領域としての認知▽専門医数▽専門研修施設数・指導医数▽専門医制度の安定性▽専門研修整備基準▽客観的基準に基づく専門医数▽専門医資格更新―などを踏まえて判断するとしている。
 上記9項目の条件について日本集中治療医学会は現状のままで、ほとんど満たされているが、唯一満たされていない条件は専門医更新基準に十分な診療実績を求めていない点である。
 理事長のリーダーシップの下、専門医制度・審査委員会が中心となってサブスペシャルティ専門医審査のためのレビューシートおよび専門医研修プログラム整備基準を作成しているところである。その中で専門医更新制度についても十分に検討しなければならない。その際、集中治療専門医にとって重要な事は、集中治療専門医を更新するだけで、基本領域の専門医も更新可能となることと認識している。そのため、集中治療専門医の基本領域として既に表明している麻酔科学会ならびに救急医学会のみならず、小児科、内科、外科領域に対してもさらに働きかけ、集中治療専門医を認定・更新をしやすい環境を整えていく所存である。