[PD4-3] Fibrinogen: 重症度指標と治療薬としての意義
重症外傷、特に著しい組織損傷を伴う鈍的外傷では凝固線溶系の異常を伴うことが多い。この凝固線溶系の異常は、輸液などの治療による修飾が加わる前にも認めているため、外傷そのものによる病態と考えられており、線溶亢進型のDICと認識される。
外傷搬入時には、著しい凝固活性化を認めるとともに、線溶の亢進も伴っているため、フィブリノゲン値が低下しやすい。フィブリノゲンの低下は血小板数低下やプロトロンビン時間の延長よりも、早期かつ高頻度に生じている(図上 Semin Thromb Hemost. 2015;41(1):35-42.)。また、フィブリノゲンの低下している症例は、死亡率が高い(図下 Shock. 2016;45(3):308-314.)。また、フィブリノゲンは輸液などにより低下するスピードが他の因子よりも早いことが知られておりこのため、外傷搬入時以降のフィブリノゲン値には注意が必要である。
また、このフィブリノゲンはフィブリンの基質であるため、低下するとフィブリン形成不全が必発であり、止血が得られない。このため、フィブリノゲンの積極的な補充が必要になる。現在、フィブリノゲン補充に用いることができる製剤としては、FFPやクリオプレシピテート(院内製剤)、フィブリノゲン濃縮製剤(1g/1V 適応外)がある。フィブリノゲンはフィブリノゲン製剤により迅速かつ強力に補充される。一方、国内のFFP240mlには240mg/dLの濃度で0.6gのフィブリノゲンが含有されている。フィブリノゲン値を100mg/dL上昇させるためには、フィブリノゲンの消費/分解が存在しない状況でも3gのフィブリノゲンが必要である。フィブリノゲン製剤で3V、FFPなら5単位(1200ml)必要である。しかも、フィブリノゲン製剤は血液型を合わせる必要が無く、すみやかに投与可能である。
外傷搬入時には、著しい凝固活性化を認めるとともに、線溶の亢進も伴っているため、フィブリノゲン値が低下しやすい。フィブリノゲンの低下は血小板数低下やプロトロンビン時間の延長よりも、早期かつ高頻度に生じている(図上 Semin Thromb Hemost. 2015;41(1):35-42.)。また、フィブリノゲンの低下している症例は、死亡率が高い(図下 Shock. 2016;45(3):308-314.)。また、フィブリノゲンは輸液などにより低下するスピードが他の因子よりも早いことが知られておりこのため、外傷搬入時以降のフィブリノゲン値には注意が必要である。
また、このフィブリノゲンはフィブリンの基質であるため、低下するとフィブリン形成不全が必発であり、止血が得られない。このため、フィブリノゲンの積極的な補充が必要になる。現在、フィブリノゲン補充に用いることができる製剤としては、FFPやクリオプレシピテート(院内製剤)、フィブリノゲン濃縮製剤(1g/1V 適応外)がある。フィブリノゲンはフィブリノゲン製剤により迅速かつ強力に補充される。一方、国内のFFP240mlには240mg/dLの濃度で0.6gのフィブリノゲンが含有されている。フィブリノゲン値を100mg/dL上昇させるためには、フィブリノゲンの消費/分解が存在しない状況でも3gのフィブリノゲンが必要である。フィブリノゲン製剤で3V、FFPなら5単位(1200ml)必要である。しかも、フィブリノゲン製剤は血液型を合わせる必要が無く、すみやかに投与可能である。