第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

シンポジウム

[SY17] シンポジウム17
集中治療医はクモ膜下出血患者を診るべきである

2019年3月3日(日) 10:20 〜 12:20 第4会場 (国立京都国際会館1F アネックスホール2)

座長:江川 悟史(TMGあさか医療センター神経集中治療部), 末廣 栄一(山口大学医学部附属病院先進救急医療センター/脳神経外科)

[SY17-2] 神経集中治療はくも膜下出血患者の転帰を改善する

江川 悟史 (TMGあさか医療センター 神経集中治療部)

【背景】近年、神経集中治療の重要性は広く知られてきている。対象となる疾患は多数あるが、臨床的にくも膜下出血は、特に神経集中治療により転帰が改善する可能性のある疾患であると実感される。文献的な考察を行う。
【方法】PubMedを用いて、くも膜下出血と神経集中治療や集中治療に関連する文献を検索し、本演台の趣旨に合うものを選択した。
【結果】該当する複数の文献を散見した。神経集中治療の対象疾患の中でも、くも膜下出血は転帰の改善が期待できる疾患であることが判明した。病態に対しては、早期脳損傷(early brain injury; EBI)の回避の重要性や遅発性脳虚血(Delayed cerebral ischemia)の早期発見と早期対応が重要であると言える。欧米の各種ガイドラインでもこれらは推奨されていた。また神経集中治療医や神経集中治療チームによるプロトコルを用いた介入で神経学的転帰改善が期待できたとの報告も認められた。
【結論】臨床的にも文献的にも神経集中治療はくも膜下出血患者の転帰を改善することが期待できる。集中治療医は脳外科医を含め、良きチームを作りクモ膜下出血患者を診るべきである。