[SY6-4] 急性腎障害における至適蛋白投与量
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栄養療法における至適蛋白投与量の決定は重要であるが、腎障害の合併と血液浄化療法の施行は検討すべき要素である。急性腎障害(acute kidney injury: AKI)は集中治療領域において頻度の高い臓器障害の一つであり、重症AKIにおいては生命維持のための血液浄化療法が行われる。日本集中治療医学会による「日本版重症患者の栄養療法ガイドライン」を含めた複数のガイドラインにおいては以下の2点が提示されている。1)AKIにおいて高窒素血症を避ける目的で蛋白投与量を制限しない、2)血液浄化療法施行中においてはアミノ酸喪失に応じて蛋白投与量を増加させる。いずれもエビデンスレベル・推奨の強さは低いものであり、栄養療法による介入がAKIおよび血液浄化療法を必要とする重症AKIの予後を有意に改善したという報告が乏しいことを反映している。このような状況において我々はどのようにして蛋白投与量を判断すべきであろうか?蛋白投与による窒素負荷が腎障害に与える影響、高窒素血症がなぜ尿毒症として認識されるのか、血液浄化療法によってアミノ酸がどのような機序で喪失されるのか、などの基本的な知識を踏まえたうえでの判断が必要と考えられる。