[SY7-1] ICUにおける脳波モニタリング up to date
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ICUにおける脳波モニタリングは、2000年代より欧米にて少しずつ広がりを見せてきて、2010年代に入り本邦においても一部の施設において導入された。ICUにて脳波モニタリングができるようになった背景として、1:デジタル脳波計の普及、2:脳波判読の統一化、3:てんかん重積に対する治療ガイドラインの整備があげられる。ICUにおける脳波モニタリングの目的として、その患者の予後評価、鎮静・麻酔を使用していた場合の意識レベルの評価、くも膜下出血における遅発性脳虚血を早期に発見する、そして非けいれん性てんかん重積(NCSE)を検出することがあげられる。デジタル脳波計の登場により長時間の脳波モニタリングでき、aEEGやqEEGといった生波形ではない脳波の定量化が可能となり脳波の可視化が可能になったこと。そしてICUでは血圧、呼吸など他のバイタルサインとの同期した観察が可能となった。このようなデジタル脳波計の改良に伴い、ICUにて頻繁に脳波を測定するようになった。しかしながらその脳波波形の判読は、各医師の専門背景により表記や表現が異なった。そのため、米国臨床神経生理学会より2012年に救急脳波の統一化を目的として、用語の整備がされた。現在はこの用語が頻用されつつなり、各施設間の共同研究や論文化において重要な役割を持っている。さらに従来あいまいであったNCSEの脳波診断においては、2015年にザルツブルグクライテリアが提唱され、現在多くの施設にて頻用され始めている。併せて、治療については、米国神経救急学会より2012年、米国てんかん学会より2015年にてんかん重積のガイドラインが提唱され、治療がより明確になってきている。しかしながらてんかん重積の薬剤で明確なRCTがあるものも少なく、今後のさらなる研究が待たれる。
今回、ICU脳波モニタリングの、現在今後について講演する。
今回、ICU脳波モニタリングの、現在今後について講演する。