第41回日本集中治療医学会学術集会

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Pro-Con 8 ネーザルハイフローはNPPV の代替療法となりうる

2014年2月27日(木) 14:20 〜 14:50 第5会場 (国立京都国際会館 1F Room E)

座長:丸山一男(三重大学大学院医学系研究科 麻酔集中治療学)

鼻から、加温・加湿した酸素を高流量で吸入させるhigh-flow nasal oxygen therapy(NHF)は、咽頭内の圧を上げ、機能的残気量を増やす効果がある。酸素吸入で対処できる軽症から中等症の呼吸不全患者を対象にした研究では、マスクによる酸素吸入に比べて、NHFで動脈血酸素化は改善、不変の双方が報告されている。小規模の研究では、NPPVへの移行率はNHFと高流量マスクで差を認めていない。一方、高流量マスクで改善しない場合に、NPPVの前にNHFを行う研究デザインでは、NHFによりNPPVに移行せずに済む症例が存在する。呼吸不全に対する治療としてNHFとNPPVで、気管挿管による人工呼吸への移行率に差があるかは、大変興味深い。さらに、術後管理として、鼻カニューラやマスクによる酸素吸入と比べて、NHFによる、術後呼吸不全の発生率の低下、ICU入室日数の短縮などの効果も検討課題であろう。