第41回日本集中治療医学会学術集会

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Pro-Con 11 重症患者の経腸栄養は胃内投与より幽門後投与を第一選択とすべきである

2014年2月27日(木) 16:00 〜 16:30 第5会場 (国立京都国際会館 1F Room E)

座長:中川隆(愛知医科大学病院 高度救命救急センター)

重症患者の栄養管理は呼吸・循環管理と同様に,あるいはそれ以上に重要であることは論をまたない。低栄養状態は人工呼吸器離脱を遅らせ,喀痰排出困難から肺炎へと進展し,低アルブミン血症は創傷治癒を遷延させる。また抗体産生低下など免疫能低下をきたす。可能な限り経静脈栄養より経腸栄養が望ましいことは自明としても,胃内投与と幽門後投与ではどちらが優れているのであろうか。胃内投与で食道逆流やmicroaspirationの可能性が高いという報告は納得しやすい。一方ではどちらの方法であっても,肺炎,ICU在室日数そして死亡率に差がないとも言われる。チューブ留置は胃内投与の方が容易であることも事実である。また早期経腸栄養開始により感染症合併の減少が期待できる点を考慮すると,幽門後投与に拘るあまりチューブ留置に難渋し経腸栄養の開始が遅れることは避けるべきである。両者の白熱の議論に注目したい。