The 41st Annual Meeting of the Japanese Society of Intensive Care Medicine

Sessions

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シンポジウム 1 侵襲と生体反応―基礎と臨床―

Thu. Feb 27, 2014 3:10 PM - 5:40 PM Room 1 (ICC Kyoto 1F Main Hall)

座長:松田直之(名古屋大学大学院医学系研究科 救急・集中治療医学分野)、久志本成樹(東北大学大学院医学系研究科 外科病態学講座救急医学分野)

生体は,侵襲に対して恒常性を維持するための機構を備えている。恒常性に異常を来す可能性あるすべての刺激が侵襲であり、集中治療における侵襲の代表は、“感染”、“虚血・低酸素/再灌流”と“組織損傷”である。そして,恒常性を維持するために生じる生体反応は、非特異的に発現する生理的反応であり、「侵襲により生じた細胞・組織損傷の拡大を制御し修復する過程」である。 従来,侵襲に対する生体反応として,神経・内分泌反応が中心的な役割を果たすと考えられていた。しかし,神経・内分泌反応と免疫・炎症反応および凝固・線溶反応が,互いに密接に関連していることが明らかにされている。本セッションにおいては、これら多面的な生体反応の最新知見に関して、基礎と臨床の視点から発表し、生体侵襲におけるモニタリング、研究テーマと臨床の接点、創薬および新たな治療的アプローチとしての可能性などについて議論したい。

シンポジウム 2 急性腎障害(AKI)に対する集学的アプローチ(日本腎臓病学会との合同企画)

Thu. Feb 27, 2014 10:00 AM - 12:00 PM Room 2 (ICC Kyoto 2F Room A)

座長:織田成人(千葉大学大学院医学研究院 救急集中治療医学)、重松隆(和歌山県立医科大学 腎臓内科学)

2004年に急性腎傷害(Acute Kidney Injury; AKI)の概念が提唱され、欧米ではAKIの診断基準に基づいた疫学調査や臨床研究の元に病態解明と治療の標準化が進んだ。2012年に腎臓病の世界的な団体のKDIGO (Kidney Disease/Improving Global Outcome)から、AKI診療ガイドラインが発表されたが、本邦では標準的ガイドラインは未だ道半ばである。
本シンポジウムは、日本腎臓学会からの提案によりAKIに対する認識を深め、最終的には日本腎臓学会と日本集中治療医学会を中心に、わが国のAKI標準ガイドライン作成を目標に企画された。本シンポジウムでは2つの学会に加え、日本急性血液浄化学会からもエキスパートに参加いただき、AKIに対する集学的アプローチを、今後のガイドライン作成に向けて議論していただく。このように多くの立場と視点からAKIが学習・議論される事こそAKIの対応を考える上でもっとも重要と考えられる。是非、積極的なご参加を期待する。

貞広智仁1,織田成人2,廣瀬陽介1,湯澤紘子1,木村友則1,木村翔1,河野貴史1,菅原久徳1,柳澤麻子1,小口萌1 (1.東京女子医科大学八千代医療センター救急科・集中治療部,2.千葉大学大学院医学研究院救急集中治療医学)

シンポジウム 3 Rapid Response System(RRS)は日本で医学的根拠を出せるか

Thu. Feb 27, 2014 9:30 AM - 11:30 AM Room 3 (ICC Kyoto 1F Sakura)

座長:安宅一晃(大阪市立総合医療センター 集中治療部)、坂本哲也(帝京大学医学部 救急医学講座)

病院内で急変時の対応として「Code Blue」など院内心停止への対応システムは整備されつつあり、非医療従事者を含めた職員の蘇生教育は広く浸透しつつある。しかしながら、その効果の検証は十分とは言えず、院内心停止に関する蘇生率などのデータすら全国規模の調査はされていない。一方、欧米では、院内においては心停止後の対応では救命率の向上にはつながらず、心停止する6〜8時間前に患者の状態が悪化することが多いとの報告を受けて、この時点で対応するRapid Response System(RRS)が約10年前から導入されはじめた。その後、RRSが有効であるとの報告が相次ぎ、欧米では多くの病院でこのシステムが導入されている。しかし、その後の研究やメタ・アナリシスでは院内の予期せぬ心停止数の減少にはつながったが、生存率の改善までには至らなかったと報告されている。現在、日本でもこのシステムを導入する病院が増えつつある。
そこで本企画では日本の臨床現場でRapid Response Systemを導入すれば、
1.予期せぬ心停止数は減少させられるのか?
2.院内死亡率の減少の医学的根拠は出せるのか?
3.本システム導入にあたって問題点はなにか?
4.問題点解決のための方法はあるのか?
について討論して、一定の提言を行うことを目的とする。

藤原紳祐1,藤谷茂樹2,小池朋孝3,森安恵美3,児玉貴光4,安宅一晃5 (1.国立病院機構 嬉野医療センター 救急科 2.東京ベイ浦安市川医療センター 3.北里大学病院 RST/RRT室 4.The University of Texas Southwestern Medical Center, USA 5.大阪市立医療センター 集中治療部)

藤谷茂樹1,藤原紳祐2,小池朋孝3,森安恵実3,児玉貴光4,安宅一晃5 (1.東京ベイ・浦安市川医療センター 集中治療科 2.国立病院機構嬉野医療センター 救急科 3.北里大学病院 救命救急センター部RST/RRT室 4.Department of Surgery, Division of Emergency Medicine The University of Texas Southwestern Medical Center, USA 5.大阪市立総合医療センター 集中治療部)

シンポジウム 4 ICUにおける神経集中治療ガイドラン作成

Fri. Feb 28, 2014 3:30 PM - 5:30 PM Room 3 (ICC Kyoto 1F Sakura)

座長:黒田泰弘(香川大学医学部附属病院 救命救急センター)、長尾建(駿河台日本大学病院 循環器科 心肺蘇生・救急心血管治療)

神経集中治療ガイドランは、項目立てとして神経集中治療(チーム)の効果、心停止後症候群(PCAS)、くも膜下出血、頭部外傷、けいれん重積、全身管理(疾患共通)が想定されるが、その中でも神経集中治療(チーム)の効果、PCAS、全身管理(疾患共通)の3項目から作成が開始される。本シンポジウムは、PCASにターゲットをしぼってトピックを選んでいる。本シンポジウムは、すなわち、その予後評価あるいは低体温療法の適応評価(神経学的症候、脳局所酸素飽和度、脳CT・MRI、乳酸クリアランス)、および神経集中治療中に発生する合併症をいかに減少させるか(血糖管理、鎮静薬の使用方法)、さらに総論的に神経集中治療がPCASにいかに効くのかどうかについて、従来の論文のまとめと、新たなエビデンスにつながる研究に関して議論し、ガイドライン作成につながる成果を得ることを目的とする。 

西山慶1,有元秀樹2,安田英人3,折田智彦4,別府賢5,奥地一夫6,久志本成樹7,小池薫1 (1.京都大学医学研究科 初期診療・救急医学分野 2.大阪市立総合医療センター 3.亀田総合病院 4.済生会横浜市東部病院 5.京都医療センター 6.奈良県立医科大学 7.東北大学 )

シンポジウム 5 重症呼吸不全に対するECMO 治療システムをどう構築するか

Sat. Mar 1, 2014 9:30 AM - 12:00 PM Room 2 (ICC Kyoto 2F Room A)

座長:竹田晋浩(日本医科大学付属病院 集中治療室)、市場晋吾(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 地域医療学講座)

ECMOは、重症呼吸不全の治療手段として確立されてきた。ELSOの統計では、小児・成人の重症呼吸不全に対するECMOの治療成績は56%であった。本邦での成績は、正確な集計がないため不明であるが、H1N1パンデミック時の集計結果では、救命率が36%程度と、欧米先進国の70%前後と比べて極めて低いことが判明した。その原因を探求し、欧米に匹敵する治療システムを確立するための方策を検討することが本シンポジウムのテーマである。

瀬尾龍太郎1,田中雄己2,井上彰3,蛯名正智3,池田理沙4,園真廉3,朱祐珍1,渥美生弘3,有吉孝一3,山崎和夫1 (1.神戸市立医療センター中央市民病院 麻酔科 2.神戸市立医療センター中央市民病院 臨床工学室 3.神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター 4.神戸市立医療センター中央市民病院 EICU)

清水直樹1,齊藤修,2,秋山類2,池山貴也2,今井一徳2,中山祐子2,水城直人2,新津健裕2,井上信明3,吉田拓司4 (1.東京都立小児総合医療センター 救命・集中治療部, 2.東京都立小児総合医療センター 集中治療科, 3.東京都立小児総合医療センター 救命救急科, 4.東京都立小児総合医療センター 臨床工学部)