○櫻井淳 (日本大学医学部救急医学系救急集中治療医学分野, 日本救急医学会OHCA特別委員会委員)
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合同プログラム » 委員会報告
委員会報告 3 合同委員会企画オープンミーティング:院外心停止の病院搬送後のレジストリ
日本救急医学会
院外心停止例救命のための効果的救急医療体制・治療ストラテジの構築に関する学会主導研究推進特別委員会 (OHCA特別委員会 )
日本集中治療医学会
神経集中治療ガイドライン作成委員会
Mon. Feb 9, 2015 5:20 PM - 6:00 PM Room 3 (Hotel Nikko Tokyo 1F Jupitar)
座長:森村尚登 (横浜市立大学大学院医学研究科救急医学, 日本救急医学会OHCA特別委員会委員長), 黒田泰弘(香川大学医学部救急災害医学, 日本集中治療医学会神経集中治療ガイドライン作成委員会委員長, 日本救急医学会OHCA特別委員会委員)
消防機関による院外心停止(OHCA)例の登録により、様々な知見が得られるようになった。しかし、現在のOHCA登録は病院前情報が中心であり、搬送先での初期診療と集中治療などの実績は明らかでない。今後は、搬送先到着後の診療データを、病院前情報と連結できる形で登録し、①予後予測因子の検討、②社会復帰率向上に寄与する治療体制・集中治療の検討等を進めていく必要がある。
日本救急医学会では、『OHCAの病院到着後の基礎情報を登録する共通プラットフォームの構築』に向けて検討を重ね、2014年6月より、学会主導研究としてOHCAの病院搬送後のレジストリを多施設共同研究としてスタートした。本レジストリの目的は、『心停止症例の蘇生に関わるデータを収集し、客観的な検証を行うことにより、心停止例の救命率を向上させること』であり、①PDSA(plan, do, study, act)サイクルに基づくマネジメント手法による、地域救急医療体制の改善の支援、②救急医療に関わる院内・院外データレジストリの集約と登録業務の軽減、③救急蘇生領域の臨床研究・疫学研究の促進、④客観的なデータに基づく参加施設へのフィードバック/ベンチマーキング、の4目標を掲げている。
日本集中治療医学会では、集中治療医の観点から、心停止症例に対する集中治療の効果を検証すべく、レジストリの構築を検討しており、両学会が協力し、心停止症例を対象としたレジストリの構築を目指している。レジストリを成功させ、目的を達成するためには、多くの救急医療関係者にレジストリの意義・目標をご理解いただき、幅広くご参加いただく必要がある。本企画を通じて、レジストリの現状と課題を共有し、皆様とオープンに議論を深めることで、OHCAレジストリの構築につなげていきたいと考えている。
○黒田泰弘 (香川大学医学部救急災害医学)