The 34th Annual Meeting of Japanese Society for Infection Prevention and Control

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パネルディスカッション

パネルディスカッション3
アウトブレイク時の対応:Acinetobacter,CRE,VRE,C.difficile

Fri. Feb 22, 2019 1:30 PM - 3:00 PM 第4会場 (神戸ポートピアホテル 南館1F 大輪田A+B)

座長:森澤 雄司(自治医科大学附属病院 感染制御部), 一木 薫(兵庫医科大学病院 感染制御部)

【座長の言葉】
 日本国内におけるMRSAやMDRPの分離率は、以前に比べ減少傾向にあるものの、依然として多剤耐性菌対策は重要な課題である。加えて最近では、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)やバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)、多剤耐性アシネトバクター(MDRA)によるアウトブレイクが散見されるようになり、これらの耐性菌検出時の対応ならびにアウトブレイク介入は喫緊の課題として取り上げられるようになった。
 CREやVREはヒトや動物の腸内に常在する。そのため保菌者への感染対策が不十分な場合、排泄物を介して予想外に伝播拡大しているケースもみられる。一方MDRAは、わが国では比較的検出頻度は稀であるものの、グラム陰性桿菌としては珍しく乾燥した環境で長期間生存できることや、院内の環境に広く存在することから、アウトブレイクが発生した場合その制御には困難を極める。またC. difficile は、米国では強毒株による重症例や死亡例が増加から、CREと並ぶ耐性菌の脅威として警戒を促している。C. difficileは、芽胞の状態で環境表面に長期間生存する特殊性をもち、熱や消毒薬などに抵抗性を示すことから、CREやVRE、MDRAに並ぶ“やっかい”な病原体である。
 耐性菌のアウトブレイクの発生時には、感染経路を特定し、感染防止の観点から解析を行ったうえで、再発防止策を講ずる必要があり、医師、看護師、薬剤師、微生物検査技師は互いに有機的に活動し連携を図ることが不可欠である。
 本セッションでは、ひとたび発生するとその制御に難渋する、MDRA、CRE、VRE、C. difficileについて、各施設での実際のご経験をふまえたアウトブレイク対策についてご発表頂き、各アウトブレイクの早期認知や初期介入および制御のためのポイントについて検討し、多剤耐性菌アウトブレイク時の具体的な対応について情報共有を図る場としたい。

川村 英樹1, 有村 尚子1, 稲森 彩1, 中村 隼人1,3, 茂見 茜里1, 折田 美千代1, 児玉 祐一1, 藺牟田 直子2, 西 順一郎1,2 (1.鹿児島大学病院 医療環境安全部 感染制御部門, 2.鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 微生物学分野, 3.鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 救急・集中治療医学分野)

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