The 34th Annual Meeting of Japanese Society for Infection Prevention and Control

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シンポジウム

シンポジウム11
深在性真菌症対策:多職種による取り組み

Fri. Feb 22, 2019 1:30 PM - 3:00 PM 第10会場 (神戸国際会議場 4F 401+402)

座長:吉田 耕一郎(近畿大学医学部 附属病院感染対策室), 掛屋 弘(大阪市立大学大学院医学研究科 臨床感染制御学)

【座長の言葉】
 深在性真菌症は血液疾患等の免疫不全患者に日和見感染症として発症することが多い。一方でその診断は難しく、微生物検査室との密な連携が必要である。また、抗真菌薬の薬剤特性を理解した薬剤選択や投与量調節には薬剤の専門知識が欠かせない。さらに院内環境を整えることで免疫抑制患者から深在性真菌症を予防することも可能となる。適切な診断・治療・予防をそれぞれの職種の専門性を尊重し、深在性真菌症の適切な診療を行うことが期待される。本シンポジウムでは、検査技師、医師、薬剤師、看護師のそれぞれの立場から、深在性真菌症対策における多職種による取り組みを講演いただく。
 深在性真菌症の確定診断は、真菌の培養と病理組織学的診断であるが、その適切な治療薬選択には真菌の同定が最も重要である。それゆえ真菌検査における検査技師への期待が大きい。一方で真菌の検出は難しく、培養条件や培地の選択、培養温度や期間等に工夫が必要となる。一部の施設では、質量分析器による菌種同定も取り組まれているが、コロニーの観察や同定には検査技師の技量にも左右される。一方、糸状菌の薬剤感受性検査など保健収載されていない検査もあり、課題が残されている。いかに臨床現場に検査結果を伝えるか、深在性真菌症に対する「検査室の取り組み」を神戸市立西神戸医療センター 竹川啓史先生より講演いただく。
 深在性真菌症は特に血液内科等の免疫抑制患者に発症する。高度免疫不全患者の深在性真菌症は予後不良で、早期診断と早期治療が求められる。いかに診断して適切な抗真菌薬を選択するのか、そのポイントを医師の立場として、虎の門病院の荒岡秀樹先生に「免疫不全患者における深在性真菌症:多職種による取り組み」を講演いただく。
 近年、抗真菌薬適正使用活動(Antifungal stewardship)の実践が求められ、その活動に薬剤師の活躍が期待されている。抗真菌薬の中でもボリコナゾールは唯一TDMが実施できる薬剤であり、TDMの結果に応じた用量調整が必須である。兵庫医科大学病院の植田貴史先生には、薬剤師の立場から「ボリコナゾールのTDM」についてそのポイントを講演いただく。
 造血幹細胞移植時の深在性真菌症の原因の一つとして、病院の新規工事が知られており、環境の評価や換気システム調査が推奨されている。その他、清掃を通じて院内環境を整えることがその予防に重要である。名古屋第一赤十字病院の高坂久美子先生には、看護師の立場として、院内環境整備を中心に「深在性真菌症対策:当院のICT・ASTでの取り組み」を講演いただく。

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