第34回日本環境感染学会総会・学術集会

セッション情報

シンポジウム

シンポジウム14
ASチームが知っておきたい多剤耐性グラム陰性菌の治療

2019年2月23日(土) 10:15 〜 11:45 第4会場 (神戸ポートピアホテル 南館1F 大輪田A+B)

座長:舘田 一博(東邦大学医学部微生物・感染症学講座 感染病態・治療学分野 感染制御学分野), 平松 和史(大分大学医学部 医療安全管理医学講座)

【座長の言葉】
 近年の薬剤耐性菌の増加や新規抗菌薬の開発の停滞は、適切な抗菌薬使用の推進の重要性を強く支持している。こうした中でAntimicrobial Stewardship Team(AST)が組織され、抗菌薬の適正使用の推進が各医療施設において図られるようになった。この活動では、様々な感染症に対するβラクタム系薬やニューキノロン系薬などの一般によく用いられる抗菌薬の適正使用が実践されてきている。一方で、薬剤耐性菌に対する治療薬の適正使用や耐性菌感染症に対する治療介入を行い、耐性菌感染症を制御し、さらなる耐性菌の増加を抑制していくこともまたASTに課せられた重要な役割である。近年の薬剤耐性菌はカルバペネム耐性腸内細菌科細菌、ESBL産生菌、多剤耐性緑膿菌、多剤耐性アシネトバクターなどグラム陰性菌の耐性化が多く、その治療や適切な対応が求められている。こうしたことから、本シンポジウムにおいては多剤耐性グラム陰性菌に焦点を当て、その治療に用いられる4つの薬剤を取り上げた。
 はじめにチゲサイクリンによるカルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症に対する治療について、自験例を中心に中島一彦先生に講演頂く。つぎに山岸由佳先生からコリスチンによる多剤耐性緑膿菌感染症の治療について、また新規抗菌薬であるタゾバクタム/セフトロザンについて藤村茂先生から抗菌力や副作用などについて解説して頂く。最後に、グラム陰性菌に対して比較的感受性の保たれているアミノグリコシド系薬についてTDMを中心に茂見茜里先生より講演して頂くこととしている。
 本シンポジウムを通して、薬剤耐性グラム陰性菌感染症に用いる抗菌薬の特徴や問題点を理解し、それら薬剤の適正使用の礎となり、AST活動の一助となれば幸いである。

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