第34回日本環境感染学会総会・学術集会

セッション情報

シンポジウム

シンポジウム3
地域ネットワークの構築:加算1&2連携、高齢者施設含む

2019年2月22日(金) 10:35 〜 12:05 第3会場 (神戸国際展示場 2号館3F 3A会議室)

座長:村上 啓雄(岐阜大学医学部附属病院 生体支援センター), 鍋谷 佳子(大阪大学医学部附属病院 看護部看護管理室)

【座長の言葉】
 感染症をもたらす病原微生物は、宿主動物の動きとともに移動し、広く伝播する。ヒトの移動のありようは様々であるが、病原微生物の伝搬は多くは住民の日常生活の場である地域内でまず起こる。したがって、ひとりひとりの住民を感染症の脅威から守るためには、地域全体で感染制御力を高めることが必要である。病原微生物は施設規模や医療内容の役割が違っても、医療施設毎に感染性が異なるわけではなく、各施設がそれぞれ異なるレベルの感染対策をしていたのでは、患者施設利用者や家族は混乱するとともに、病原微生物に有利な状況を作ってしまう。 すなわち、地域のすべての医療施設、高齢者施設の感染制御の規格統一とその質の向上を目指すべきである。そのための地域連携・ネットワーク構築は以前からその重要性の指摘がなされ、それぞれの地域で行政や保健所、また大学病院などが核になってさまざまな取り組みがなされてきた。2012年度診療報酬改訂による感染防止対策加算および感染防止対策地域連携加算の新設は、各病院のICT結成・活動強化を促進し、感染対策のレベルアップおよびペアリング施設間の連携強化に大いに貢献した。しかしながら、加算を算定するためのICT結成が可能でない主に中小病院や、高齢者施設などを含んだ、真の意味の地域連携・ネットワークはまだ十分には構築されていない現状であることを指摘せざるを得ない。 本シンポジウムでは、行政・保健所、大都市と地方の医療施設の立場から、地域連携・ネットワーク構築に積極的に取り組んでいる演者から、現在までの取り組みを紹介いただくとともに、現状の問題点と今後の課題について指摘していただき、あるべき地域ネットワークを構築するためにはどのようにするべきか、参加者がそれぞれの地域に持ち帰って連携強化・ネットワーク整備を加速していただくきっかけになれば幸いである。

×

認証

×

要旨・抄録、PDFの閲覧には参加者用アカウントでのログインが必要です。参加者ログイン後に閲覧・ダウンロードできます。
» 参加者用ログイン