○中江 佑果1, 橋本 明子1,2, 長尾 美紀2 (1.京都大学医学部附属病院看護部, 2.京都大学医学部附属病院感染制御部)
セッション情報
ワークショップ
ワークショップ3
施設で行う手指衛生啓発活動
2019年2月22日(金) 13:30 〜 15:00 第11会場 (神戸国際会議場 5F 501)
座長:矢野 邦夫(浜松医療センター感染症内科), 中根 香織(昭和大学病院 感染管理部門)
【座長の言葉】
手指衛生は感染対策の中で最も重要な対策である。多剤耐性菌やノロウイルスなど様々な病原体が医療従事者の手指を介して患者から患者に伝播し、またカテーテル感染や手術部位感染が発生している。それにも拘わらず、病院での手指衛生遵守率は低いと言わざるを得ない。これまでも、学生、新人、医療従事者教育などを通じて、手指衛生が啓発されてきたが、現在も不十分であることは明らかである。ここで強調したいことは、「手指衛生の回数が増加すればよいということではない」ということである。手指衛生はアルコールの消費量増大に満足すべきではなく、「WHOの手指衛生5つのタイミング」で行われることが大切である。手指衛生後に、機器など環境に触れ、其の後に患者をケアする行為は病原体を患者に容易に伝播してしまう。また、施設内で特定の職種や部署のみ手指衛生が向上しても、感染対策は不十分である。多様な職種が業務内容に合わせて5つのタイミングを根付かせる職場風土が重要である。現在、すべての医療施設で手指衛生の啓発のために様々な取り組みが積極的に行われている。その取り組みにより手指衛生が向上すれば、更にその取り組みを進めるであろう。また、アウトブレイクを機に手指衛生が向上する施設もあるが、それを維持するのは至難の業である。向上がなければ、啓発の方法を工夫している。このセッションでは「施設で行う手指衛生啓発活動」をタイトルに各施設での取り組みを紹介して頂く。それらの取り組みが全ての病院に適用できないかもしれない。しかし、手指衛生啓発のアイデアを提供できるものと考える。すべての医療機関が「WHOの手指衛生5つのタイミングの遵守率を100%にする!」を完遂できないかもしれない。しかし、遵守率を5%、10%引き上げれば、多くの病院感染を未然に防ぐことが可能となる。様々な取り組みの紹介によって、今後の手指衛生の啓発の方向性を見定めてゆきたい。
○恒松 美香子1,2, 今井 基之3,4, 今井 賢治1,2 (1.帝京平成大学ヒューマンケア学部鍼灸学科, 2.帝京平成大学東洋医学研究所, 3.東京理科大学工学部電気工学科, 4.法政大学大学院理工学研究科応用化学専攻)
○多賀 允俊1,2, 西田 祥啓1, 野田 洋子2, 中川 佳子2, 坂本 麻衣2, 河合 泰弘2,3, 飯沼 由嗣2,3 (1.金沢医科大学病院 薬剤部, 2.同 感染制御室, 3.金沢医科大学 臨床感染症学)
○藤原 満里子1, 漆原 節1, 高柳 晋2, 山崎 伸吾3, 谷口 俊文2, 猪狩 英俊2 (1.千葉大学医学部附属病院 感染制御部, 2.千葉大学医学部附属病院 感染症内科, 3.千葉大学医学部附属病院 薬剤部)
○鈴木 怜夢1, 浅野 恵子2, 坂本 史衣2, 長坂 安子1 (1.聖路加国際病院 麻酔科, 2.聖路加国際病院 QIセンター感染管理室)
○岡本 和樹, 横井 佳博, 山本 久美子, 佐藤 美奈子, 浅井 絵美 (新城市民病院 感染対策委員会)