第34回日本環境感染学会総会・学術集会

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ワークショップ

ワークショップ6
輸入感染症に対する院内感染対策

2019年2月23日(土) 10:15 〜 11:45 第10会場 (神戸国際会議場 4F 401+402)

座長:加藤 康幸(国際医療福祉大学医学部), 渡邊 浩(久留米大学医学部 感染制御学講座)

【座長の言葉】
輸入感染症は時代とともに変遷している。日本人が観光目的で自由に海外に行けるようになったのは1964年以降のことであり、まだ50年余りしかたっていない。近年わが国の海外渡航者数は年間1700万人前後で推移しているが、訪日外国人旅行者数は円安やビザの緩和等の影響もあって急増し、2017年には年間2800万人以上となった。政府は東京オリンピックが開催される2020年には訪日外国人旅行者数4000万人を目標値にしており、今後益々海外より旅行者が訪日することが予想されている。
この様な状況下において、以前より海外で流行する感染症が国内に持ち込まれるリスクが高くなっている。2016年8月に発生した関西国際空港内事業所での33名の麻疹集団感染事例や2018年3月に沖縄で台湾人観光客が麻疹を発症後約100名の麻疹流行があったことは記憶に新しいが、肺結核や薬剤耐性菌などが海外から持ち込まれる事例も明らかに増加している。また、近年は重症急性呼吸器症候群(SARS, 2003年:中国)や中東呼吸器症候群(MERS, 2015年:韓国)、エボラウイルス感染症(2014-15年:西アフリカ)などの新興感染症の流行もあり、輸入感染症への対応が重要となってきている。患者を診療する医療機関の院内感染対策は、これらの感染症の国内流行を防ぐためにもきわめて重要である。
本ワークショップでは輸入感染症を疾患別ではなく、感染対策をとる上で有用な症候別、あるいは薬剤耐性菌や訪日外国人といった近年関心が高まっているテーマ別に、第一線で活躍している専門家に解説をしていただく予定である。海外渡航歴のある患者が受診、あるいは入院した場合にどのような院内感染対策をとるべきか悩む医療従事者も少ないと考えられる。本ワークショップが学会参加者の皆様の院内感染対策に役立つことを期待している。

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