大会概要
日本感性工学会が年次大会を開催してから今年で20年を迎えます。人間でいえば成人となる年です。この、記念すべき大会を、東京大学工学部にて開催させていただくことになりました。
東京大学と日本感性工学会の共通点を考えたとき、「多様性」という言葉が浮かびました。東京大学は、我が国初の総合大学として誕生してから今年で140周年を迎えます。現在、10の学部、15の研究科、および付属機関からなり、工学系においては16学科、22専攻の学問分野を網羅しています。その歴史は、様々な学校や研究所の統合にあり、たとえば、工学部は、明治19年に工芸学部と工部大学校とを統合した帝国大学工科大学を起源とし、時代の要請により様々な学科組織の改編を経て現在に至っています。本学は、多様な分野で先端を走ると同時に、多様な分野間の相互作用を促し、学の融合を通じた新たな学問分野の創造を目指しています。一方、日本感性工学会は、ご承知のとおり、感性というキーワードを軸に、理系、文系、芸術系など多様な学問分野の参画からなります。この分野横断的な多様性は、学会として他に類を見ない特徴です。
自然界においては、生物多様性が地球環境の存続に必要不可欠であるといわれています。多様性は、異種の相互作用によって新たな創造を生み出し続ける、進化の原動力であるとも言えます。二十歳を迎えた日本感性工学会が、今後さらに発展するためには、多様な分野、産業界からの参加と相互のつながりから生まれる新しい創造のあくなき追求が必要です。この記念すべき第20回年次大会が、これを象徴する大会となるよう、皆様の積極的なご参加と活発な研究発表、議論を何卒お願い申し上げます。
大会実行委員長: 村上 存(東京大学)
プログラム委員長: 柳澤 秀吉(東京大学)