第17回日本感性工学会春季大会・ISASE2022

大会概要

良く言われることですが,雨乞いをすると雨が降ると予測ができるでしょうか?.この問いへの回答は微妙です.一般には雨が降るは科学的でないと言われます.χ二乗検定を持ち出す必要はあるか?.それだけが正しいのか.学会論文では必要であるかもしれません.しかしならがら”このサプリを飲んだらやせた”はどうか?.”儲かっている社長はなぜベンツに乗るのか”はどうでしょう?.セールスプロモーションとしては良いのではないでしょうか?.そもそもそのようなセールスプロモーションは人間の認知バイアスを利用しており科学的であると思います.さらに,雨が降らず飢饉の時にコミュニティの結束を高め危機を乗り越えるためには雨乞いと言う行事はむしろ必要なのではないか?.そう回答する科学もあるのではないかと思えます.降るまでやるから降る,と言うジョーク.そこまで生き延び得たことをむしろ彼らは賞賛されるべきではないでしょうか?.
これも良く言われることですが,一般に,機能には順機能と逆機能があると言われます.また,顕在的機能と潜在的機能があるとも言われます.これまで我々は顕在的な順機能のみを科学と言っていたかもしれません. 感性を科学する,工学する,それをめざした,そして実践している感性工学会はこのデジタル化の中,未来をどう予測しどんな科学,どんな工学をやって行くのか.これを議論いたしたいと存じます.そんな思いでテーマを設定しました.
社会のなかの学会でありたい,当然のことであろうと思います,ややもするとアカデミアの学芸会と揶揄されることもある学会大会が,そもそも約20年前に既存の科学や学会への批判として生まれた当学会が,当時なにを予測し,現在どうしているのか.今回,そもそもテーマなんているの?から議論をはじめ,さまざま議論の末,開催にこぎつけました.デジタル化時代の学会大会運用も試してみます.多くの方のご参加をお持ちしております.

実行委員長: 布川博士(岩手県立大学)

プログラム委員長: 羽倉淳(岩手県立大学)