第22回日本感性工学会大会

大会概要

近年、サイバー空間と現実社会の高度な融合による経済発展(Society 5.0)の実現に向け、ビジネスイノベーションの連続的創出が強く求められるようになっています。2015年9月に採択された国連の『持続可能な開発のための2030アジェンダ』に記載されている国際目標(SDGs)の達成では、新たな企業活動により資金流動を促進するイノベーティブなアイデアが必要とされます。このようにビジネスで社会課題を解決する時代を迎え、近年、新たな価値創造の源泉として、個々人の知的活動の多様性への注目が高まっています。
現代の知識社会においては、組織内で『知的活動の多様性』を『知識創造』につなげることが最重要とされてきました。産業界では組織内で知的活動を活性化・高度化し、機能や信頼性の高い商品、サービスを創造して社会に貢献してきたのです。それに対して近年、感性価値をいかに創造するかが重視される感性社会へのシフトが急速に進んでいます。感性価値は、機能や信頼性といった商品価値とは異なる、消費者の「感動」や「共感」を得て顕著化する価値と定義することができます。個々人の生活文脈の中でおこなわれるそれぞれの感性に基づく多種多様な活動の結果であり、その特徴を工学的に解明し新たな需要の喚起につなげるシステムの構築が感性社会の新たな課題とされています。そこで、日本感性工学会22回大会では個々人の知的活動の多様性について感性工学的側面から議論する場になればと思い、このテーマで大会を開催させていただきます。
また、今回の大会は日本感性工学会が主催する国際会議KEERと連続開催することになりました。当学会初の試みでありますが、国内外の感性工学研究者が集う良い機会になると思います。皆様のご参加を心よりお待ちしております。

実行委員長: 庄司裕子(中央大学)