第95回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

手術室・ICU

手術室・ICU

[101] 前立腺核出術(HoLEP)における簡単で確実な組織回収方法の開発

湶 孝介1, 小久保 安朗2 (1.福井大学医学部附属病院 検査部 手術部, 2.福井大学医学部附属病院 手術部)

前立腺肥大症に対し,当院ではホルミウムヤグ(Ho:YAG)レーザを用いた前立腺核出術(Holmium Laser Enucleation of the Prostate:HoLEP)をおこなっている.術中,出血や切除片を洗い流すために血液・組織液と浸透圧の等しい生理食塩水を灌流液として使用し,切除した前立腺組織は膀胱内で細かく裁断し,体外で吸引回収し重量を測定している.体外の組織吸引回収作業は外回り看護師や技官がおこなっているが,組織回収に確立された方法はなく,市販の金属ザルにガーゼを敷き詰めて回収し重量を測定している.この方法の問題点として,1.組織の不確実な回収,2.重量測定が不正確,3.回収時に灌流液飛散の可能性,4.灌流液を後処理する時の煩雑さ,5.吸引回収に1名がはりつかなければいけない,6.金属ザルをリユースしている,の6点が挙げられる.我々はこれらの問題を解決するため,ラージポート組織回収バック(Cardinal Health)にメラ人工心肺用コネクター ストレート6×6(泉工医科)とArgyleグリーンバブルチューブ(COVIDIEN)を接続しフィットフィックス(大研医器)に接続する新しい組織回収方法を開発した.8症例に対して新しい回収方法を用いたが,さらに回収回路を短く切断し,回収回路の径を太くする改善を加え,より組織回収が容易になった.回収した組織重量を従来法と新規法で比較すると,従来法群(n=8)が29.3±13.3g (10~55),新規法群(n=8)34.8±33.4g (5~148) であり,有意差は認めなかった.現在,接続作業の必要がないオールインワン回路とし,さらに簡便な組織回収方法となるよう開発をすすめているが,この方法は従来の回収法の代替方法になり得ると考えた.