第95回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

輸液・シリンジポンプ

輸液・シリンジポンプ

[104] 一般病棟における輸液シリンジポンプの無線LAN機能を用いた
電子カルテとの連携

太田 稔1, 松本 剛直1, 伊林 由美子2, 中泉 晶子3, 伊藤 豊3, 遠藤 晃3, 垣内 寛子4, 古藤 幸子5, 鹿内 三起子6, 山崎 浩二郎7藤田 憲明8,加藤 裕貴9 (1.北海道大学病院 ME機器管理センター, 2.北海道大学病院 8-2病棟ナースセンター, 3.北海道大学病院 医療情報企画部, 4.北海道大学病院 HCU・救急部ナースセンター, 5.北海道大学病院 医療安全管理部, 6.北海道大学病院 看護部, 7.北海道大学病院 薬剤部,8.北海道大学病院 麻酔科,9.北海道大学病院 集中治療部)

【背景】
 医療機器のIT化が進んだことによりさまざまなモダリティが電子カルテに連携し正確な情報の記録が可能となった.本邦ではこれまで手術室とICUにおいて無線LANを用いたシリンジポンプと部門管理システムのデータ連携が報告されているが,一般病棟における電子カルテとの連携の報告はない.今回,一般病棟における輸液シリンジポンプの無線LAN機能を用いた電子カルテへの自動入力を実施したので報告する.
【対象・方法】
 2019年7月16日から22日までに一般病棟において輸液シリンジポンプ(以下スマートポンプ)を使用した薬剤投与データを対象とした.スマートポンプはテルモ社製TE-LM835AおよびTE-SS835N,電子カルテはNEC社製MegaOak HRを使用した.携帯情報端末であるPDAを用いてスマートポンプと患者リストバンド,担当看護師のバーコードIDを三点認証し,スマートポンプと電子カルテを連携させた.また連携の切断もPDAの三点認証で実施した.スマートポンプの無線LAN機能で流量設定と開始および停止時刻,早送りを電子カルテに送信し温度板に自動入力した.以降,時計時刻の00分にスマートポンプの流量設定から求められた積算値を1時間毎に記録し,水分出納計算の締め時間に積算値をリセットした.薬剤投与終了後にスマートポンプのデータ(開始,停止,早送り)を抽出し,電子カルテの記録との整合性を検証した.
【結果・考察】
 対象期間中に輸液ポンプ2台とシリンジポンプ4台を4例に使用した.スマートポンプの流量設定と早送りは電子カルテの記載とすべて合致した.計21回の薬剤投与において開始と終了時刻が電子カルテに正確に記録されたのは20回であり,PDAの三点認証による切断操作前にスマートポンプの電源を遮断し1回のみ終了時刻が欠損した.データ連携のルールを遵守することで電子カルテに正確な記録が自動反映され,入力作業の負担軽減による業務の効率化が期待される.