[106] 輸液・シリンジポンプ用電源コードの劣化がインピーダンスに及ぼす影響について
【はじめに】
当院使用の輸液・シリンジポンプの電源コードの耐用期間をメーカは6年としており,消耗劣化による嵌合力低下で抜けやすくなることがあるとされている.しかし,当院の先の発表にある保持力試験の結果では,6年目の電源コード(69本)のプラグ・コネクタの保持力はJISの規定内:78.3%(54本),以上:14.5%(10本),以下:7.2%(5本)であり,消耗劣化が及ぼす影響は小さいと考える.
【目的】
使用期間6年を終了した電源コードのインピーダンス測定試験をおこない,消耗劣化の影響を検討する.
【対象】
2012年度に使用開始した電源コードの内,7年目で回収できた67本,および未使用電源コード15本とした.
【方法】
測定装置を用い,周波数:50Hzに設定し,電源コードを伸ばした状態でプラグ・コネクタ側の各端子間のインピーダンスを測定した.コネクタ側は,ACインレットユニットを用い,接続後にその端子を測定部位とした.
【結果】
2012年度の電源コードの各端子間のインピーダンス値(Ω)は,ホット:2.6521±4.1575Ω,コールド:3.1643±5.7760Ω,アース:9.9593±6.5567Ωであり,未使用の電源コードは,ホット:0.0588±0.0032Ω,コールド:0.0585±0.0020Ω,アース:0.0592±0.0013Ωであった.クラスΙ機器の保護接地線の抵抗は着脱可能の場合,0.1Ω以下と定められているが,2012年度でそれを満たすものはなかった.
【考察】
未使用の電源コードの各端子間のインピーダンス値はほぼ同じであり,全て0.1Ω以下であった.しかし,2012年度のアース平均値は約10Ωと他の3倍以上で,規定の約100倍であった.消耗劣化は電源コードの抵抗値上昇に大きく影響していることが示唆され,今後は原因部位の特定と安全性を考慮した更新時期の検討をおこなう必要がある.
【結語】
消耗劣化による影響は,保持力低下以外に電源コードの抵抗値上昇,特にアースに関する部分に大きく影響していると思われる.
当院使用の輸液・シリンジポンプの電源コードの耐用期間をメーカは6年としており,消耗劣化による嵌合力低下で抜けやすくなることがあるとされている.しかし,当院の先の発表にある保持力試験の結果では,6年目の電源コード(69本)のプラグ・コネクタの保持力はJISの規定内:78.3%(54本),以上:14.5%(10本),以下:7.2%(5本)であり,消耗劣化が及ぼす影響は小さいと考える.
【目的】
使用期間6年を終了した電源コードのインピーダンス測定試験をおこない,消耗劣化の影響を検討する.
【対象】
2012年度に使用開始した電源コードの内,7年目で回収できた67本,および未使用電源コード15本とした.
【方法】
測定装置を用い,周波数:50Hzに設定し,電源コードを伸ばした状態でプラグ・コネクタ側の各端子間のインピーダンスを測定した.コネクタ側は,ACインレットユニットを用い,接続後にその端子を測定部位とした.
【結果】
2012年度の電源コードの各端子間のインピーダンス値(Ω)は,ホット:2.6521±4.1575Ω,コールド:3.1643±5.7760Ω,アース:9.9593±6.5567Ωであり,未使用の電源コードは,ホット:0.0588±0.0032Ω,コールド:0.0585±0.0020Ω,アース:0.0592±0.0013Ωであった.クラスΙ機器の保護接地線の抵抗は着脱可能の場合,0.1Ω以下と定められているが,2012年度でそれを満たすものはなかった.
【考察】
未使用の電源コードの各端子間のインピーダンス値はほぼ同じであり,全て0.1Ω以下であった.しかし,2012年度のアース平均値は約10Ωと他の3倍以上で,規定の約100倍であった.消耗劣化は電源コードの抵抗値上昇に大きく影響していることが示唆され,今後は原因部位の特定と安全性を考慮した更新時期の検討をおこなう必要がある.
【結語】
消耗劣化による影響は,保持力低下以外に電源コードの抵抗値上昇,特にアースに関する部分に大きく影響していると思われる.