第95回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

輸液・シリンジポンプ

輸液・シリンジポンプ

[107] 当院における輸液ポンプの保守管理について

勝又 絢一1, 鈴木 晃1, 近江 篤1, 最首 俊夫2 (1.みやぎ県南中核病院 臨床工学室, 2.みやぎ県南中核病院 麻酔科)

【背景および目的】
 当院の輸液ポンプは2012年の機器更新から8年以上経過しており,不具合や修理依頼が増加している.2016年には,臨床使用中に気泡センサの劣化による不具合が発生した.患者への影響はなかったが,今回輸液ポンプの安全性をさらに高めるためにマニュアルの見直しをおこなったので報告する.
【対象】
 輸液ポンプTE-261 140台
【方法】
 定期点検マニュアルの更新.定期点検マニュアル更新前後の不具合,修理依頼内容の比較.
【結果】
 2016年の不具合発生後,気泡センサに気泡が通過した際のA/D値の合否判定を厳しく設定し,定期点検マニュアルの更新をおこなった.定期点検マニュアル更新前後を比較すると,更新前の気泡センサに関する定期点検時の不具合は,2015年に1件,臨床使用中の修理依頼は2016年に1件であった.更新後の気泡センサに関する定期点検時の不具合は,2017年に1件,2019年に7件,臨床使用中の修理依頼は見られなかった.
【考察】
 定期点検マニュアルを更新後,定期点検時に気泡センサの劣化と判定された件数が増加し,臨床使用中の気泡センサの劣化による修理依頼は見られなかったため,臨床使用中の輸液ポンプの気泡センサ劣化による不具合を未然に防ぐことができた.
【結語】
 今後も機器管理業務の安全性が高まるよう,当院に適した業務内容や運用方法などを比較・検討していく必要がある.