第95回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

輸液・シリンジポンプ

輸液・シリンジポンプ

[108] シリンジポンプの流量設定チェックを含めた4点認証システム方策に関する研究

岩田 優一1, 酒井 順哉1, 安田 大冴1, 可児 忠夫2, 加藤 稔2,3, 宮田 裕一朗3 (1.名城大学大学院都市情報学研究科保健医療情報学, 2.㈱テクノアスカ ITシステム部, 3.アイニックス㈱西日本営業部)

【目的】
本研究は,医薬品の6Rによる目視確認を補完し,シリンジポンプにおける流量の設定ミスを解決する方法として,従来の3点認証だけでなく,注射オーダの流量設定指示入力と,シリンジポンプから送出される流量の設定値を無線LANで事前チェックできる4点認証システムの運用方策についての検討である.
【方法】
当該シリンジへの薬剤注入する準備には,
1)薬剤部の調製監査支援システムでシリンジに独自シリアルIDを貼付する方法,
2)商品コードとシリアル番号がGS1-Databarで表示されたプレフィルドシリンジを使用する方法,
3)病棟で注射オーダに沿ってアンプルからID付きシリンジに薬剤を注入し,シリンジポンプにセットし注射オーダと照合する方法があり,シリンジ本体に電子カルテシステムと紐づけた注射指示番号が表記されたバーコードラベルを貼付することでシリンジポンプ本体の流量設定との4点認証ができると考えた.
【結果】
多くの病院で最も頻繁に使われている病棟でシリンジにアンプル薬剤を注入する方法において,流量設定を含めた4点認証を携帯端末で可能とする運用方策は以下の通りとなる.
1)携帯端末で患者IDを患者リストバンドのバーコードで読み取る.
2)実施者IDをネームカードのバーコードで読み取る.
3)医薬品の指示オーダから注射指示番号に紐づいたバーコードラベルをシリンジに貼付し,そのバーコードを読み取る.
4)シリンジをシリンジポンプにセットし,無線LANでペアリングする.
5)電子カルテシステムから注射指示に関連する情報を受け取る.
6)シリンジポンプ本体IDと設定流量との照合を確認する.
【考察・まとめ】
無線無線LAN様式が搭載されたシリンジポンプと今回考案した4点認証システムと統合することによって,シリンジポンプの流量設定ミスを回避することができる.この方策を活用すると,輸液ポンプとシリンジポンプを同時使用にも対応できる.