第95回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

検査機器

検査機器1

[11] 次世代映像システムの臨床応用への可能性

瀬島 啓史, 倉島 直樹 (東京医科歯科大学医学部附属病院 MEセンター)

【はじめに】
通常,医療機器の画像は出力信号をそのまま使用して画像を構成する.近年,IP(Interneto Protocol)ネットワークを通じ,医療映像データを一元的に管理する次世代映像システム(NUCLeUS)がSONYより開発された.今回,本院のロボット支援下手術にて,ビジョンカートより3G-SDI信号を液晶モニタに送り,IP通信を用いたNUCLeUSの使用経験が得られたので報告する.
【方法】
装置はIntuitive Surgical社製daVinci Xiの出力画像をSONY社製NUCLeUS,受信用IPコンバータNU-IP3R,送信用IP コンバータNU-IP3T,録画装置HVO3300MTを用いて液晶モニタLMD-X310MTに表示した.画像出力は,通常の方法として左右を3G-SDIにてLMD-X310MTに接続した2DとDual Streamの3Dをモニタに表示する方法,新たな方法として,3G-SDI にてNU-IP3TでIPに変換した2D画像,左右の3G-SDIをHVO3300MTでSide by Side出力し,NU-IP3Tで接続した3D画像をNUCLeUSでNU-IP3RからLMD-X310MT に接続し表示する方法を比較した.
【結果および考察】
NUCLeUSは各機器を入出力の区別なくLANケーブルでHUBに接続可能となり容易である.そして,接続された機器名や画像がリアルタイムで表示される.画面上で出力画像の切り替えや画面構成の変更をおこなえ,感覚的な操作が可能であることは有用である.通常との比較では,IPに変換する際の遅延は全ての信号で感じられなかった.画質はNUCLeUSにて4K相当にアップコンバートすることで差異はなかった.3D画像送信は,左側と右側で直接Dual Streamで表示することを試みたが,画像にチラつきが見られ,HVO3300MTにて3D信号にする必要があった.このことから画像表示の工夫は必要であるが臨床使用は可能であると考えられた.