第95回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

検査機器

検査機器2

[17] 安全評価で初めて国内第三者認証機関に認証された超音波治療器の製品化

西澤 裕輔1, 岡野 宏1, 西浦 広二2, 山城 優2, 桑原 道貴2, 坂本 哲也3, 岩崎 知子3, 松井 政篤4 (1.地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 2.㈱日本メディックス, 3.平和電機㈱, 4.(元)㈱日本メディックス)

【背景】
理学療法機器である従来の超音波治療器は,有効性が認められすでに製品化されている.しかし,安全性が認められる最新規格(JIS T 0601-2-5:2015)に適合し製品化するには,新たに第三者認証機関の認証が必要である.さらに,超音波治療器の評価機器を有する第三者認証機関を国内では見つけられず,海外でも直ちに対応できないため,認証を取得できず製品化できないという問題を抱えていた.
【目的】
都産技研(公的試験機関)と企業ならびにISO/IEC17025認定試験所の三者が協力し,企業が東京都の助成金で取得した超音波出力測定器を用いて,第三者認証機関から企業自身による試験結果を信頼あるものと認めてもらい,認証を取得して製品化をおこなうことを目的とした.
【実現方法】
⑴最新規格作成のJIS原案作成委員会委員長を招き,規格の内容,超音波出力測定の理論的根拠,測定のトレーサビリティと不確かさ,リスクマネジメント等の研修を上記三者でおこなった.
⑵超音波出力測定は,国立研究開発法人産業技術総合研究所(AIST)の超音波専門家の資料(IEC61689による音場測定)を基本に実現させた.
⑶超音波測定の理論的根拠を理解し,超音波出力測定器を改善して測定結果の信頼性を高めた.
⑷超音波治療器の仕様を検討し,安全で耐久性が高く,操作性の良いスマートな製品仕様を定めた.
⑸試作品の安全評価において,修了した研修の経過も踏まえて第三者認証機関からの認証取得に努めた.
【結果】
⑴第三者認証機関による認証において,企業自身が実施した超音波出力測定が,トレーサビリティの確立された方法と認定され,安全規格適合の認証が得られた.
⑵着実にリスクマネジメントをおこなって安全性を確立し,デザインを一新した新製品を発売することができた.