[20] 独立成分分析を応用した心音の非接触計測手法の検討
【背景】
心音の非接触計測において,周波数フィルタを用いた従来の心音抽出手法では,心音と周波数帯域の重なるノイズが除去できない.そこで,同周波数帯の別音源を分離し得る技術である独立成分分析を応用した新手法が挙げられるが,生体信号である心音には正解データが無いため,手法ごとに心音抽出精度を定量的に評価することができないという問題がある.
【目的】
本研究の目的は,従来の手法と独立成分分析を応用した新手法を定量的に比較することで,心音と周波数帯の重なるノイズが新手法により除去可能であるかを検証することである.定量的な評価をおこなうために,正解データとして評価用心音を生成し心音計測環境を構築する.
【方法】
まず,評価用心音の生成では,同時計測した心電のR波のタイミングで心音を重ね合わせることで,ノイズのない評価用心音を生成する.そして,音圧を調整してスピーカーから出力することで,心音計測環境を再現する.次に,この環境で計測した生データに対し,従来の手法と今回の手法を適用し,それぞれ心音を抽出する.その後,それぞれの手法で抽出した心音に対してSN比を用いた定量的な評価をおこなう.
【結果】
まず,心音計測環境を再現することで,心音の抽出精度に関してSN比などの定量的な評価指標を用いることが可能となった.次に,この指標を用いて二つの手法による心音抽出精度の評価をおこなった.計測距離10cmのデータにおいて,従来の手法ではSN比16.2dBであったのに対し,新手法ではSN比29.9dBの心音抽出精度が得られた.
【結論】
本研究では,評価用心音を生成し心音計測環境を再現することで,心音抽出精度の定量的な評価が可能となった.また,独立成分分析を応用した新手法では,従来の周波数フィルタを用いた心音抽出手法では除去できなかった心音と周波数帯域の重なるノイズを除去もしくは低減できたと考えられる.
心音の非接触計測において,周波数フィルタを用いた従来の心音抽出手法では,心音と周波数帯域の重なるノイズが除去できない.そこで,同周波数帯の別音源を分離し得る技術である独立成分分析を応用した新手法が挙げられるが,生体信号である心音には正解データが無いため,手法ごとに心音抽出精度を定量的に評価することができないという問題がある.
【目的】
本研究の目的は,従来の手法と独立成分分析を応用した新手法を定量的に比較することで,心音と周波数帯の重なるノイズが新手法により除去可能であるかを検証することである.定量的な評価をおこなうために,正解データとして評価用心音を生成し心音計測環境を構築する.
【方法】
まず,評価用心音の生成では,同時計測した心電のR波のタイミングで心音を重ね合わせることで,ノイズのない評価用心音を生成する.そして,音圧を調整してスピーカーから出力することで,心音計測環境を再現する.次に,この環境で計測した生データに対し,従来の手法と今回の手法を適用し,それぞれ心音を抽出する.その後,それぞれの手法で抽出した心音に対してSN比を用いた定量的な評価をおこなう.
【結果】
まず,心音計測環境を再現することで,心音の抽出精度に関してSN比などの定量的な評価指標を用いることが可能となった.次に,この指標を用いて二つの手法による心音抽出精度の評価をおこなった.計測距離10cmのデータにおいて,従来の手法ではSN比16.2dBであったのに対し,新手法ではSN比29.9dBの心音抽出精度が得られた.
【結論】
本研究では,評価用心音を生成し心音計測環境を再現することで,心音抽出精度の定量的な評価が可能となった.また,独立成分分析を応用した新手法では,従来の周波数フィルタを用いた心音抽出手法では除去できなかった心音と周波数帯域の重なるノイズを除去もしくは低減できたと考えられる.