第95回日本医療機器学会大会

Presentation information

Oral presentation

滅菌

滅菌1

[24] 単回使用医療機器の再使用防止を目指した洗浄滅菌の現状調査

長瀬 清 (岐阜大学医学部附属病院 手術部)

【目的】
洗浄滅菌業務では医療安全や感染対策上の理由から,単回使用医療機器SUDを再洗浄・再滅菌など不適切な洗浄滅菌をおこなわないことが求められている.当院は一時洗浄を含め洗浄滅菌業務を中央化し,SUDの再使用も長年にわたり禁止している.各部署からの洗浄滅菌依頼はマスター登録された電子伝票か手書き伝票を用いている.外来病棟や中央部門など全33部署から提出される伝票を調査し,現状と課題を分析した.
【方法】
2017年9月から2ヶ月間に依頼された手書き伝票と,2017年中に依頼された電子伝票を調査した.
【結果】
電子伝票は337種類987件/月,手書き伝票は474種類4550件/月であった.1件あたりの依頼物品数(点数)が異なるため総物品数は把握できなかった.手書き伝票の枚数の内訳は,頭頚部外科など6部署で80%,10部署で95%を占めていた.電子伝票にマスター登録されているにもかかわらず鋼製小物の45%も手書き伝票で提出されていた.また残る55%の手書き伝票で385種類の物品が洗浄滅菌依頼され,材料部では仕様の把握が困難だと考えられた.今回の調査結果は医療安全管理委員会と共有した.
【結論】
マスター登録は適切な洗浄滅菌依頼の一助である.しかし手書き伝票も多用されるためシステムの利便性を上げること,手書き伝票は扱う種類が多いこと,材料部ではSUDかどうかが判明できない物品も認められたこと,よって材料部での管理には限界があり依頼者が管理する必要があること,部署ごとに特徴が認められること,病院全体で医療安全対策としてSUD対策を認識する必要があると考えられた.