第95回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

滅菌

滅菌1

[26] 中央材料室における各作業エリアの明るさに関する調査報告

藤田 敏1, 森本 健治2, 松本 尚史2 (1.クリーンケミカル㈱技術部, 2.クリーンケミカル㈱営業部)

【目的】
中央材料室で再生処理される医療器械の大きさは様々であり,マイクロ剪刀など小さく繊細な器械から,手術支援ロボットの操作鉗子のように長く構造が複雑な器械もある.それらは,人の手によるブラッシング洗浄が不可欠であり,隙間などに汚染物が残っていないか確認しながら洗浄し,点検時にも同様に確認しなければならない.その確認作業は目視になり,作業環境の明るさが重要である.「JIS Z 9110:2010 照度基準」の表12保健医療施設に,病院内の主要な部屋の照度について記載されており,中央材料室は500ルクスと記載されている.また,諸外国のガイドラインには,ドイツ(文献1)では洗浄作業エリアは1000ルクス,イギリス(HBN13:2004, 文献2)では300~500ルクスと定められている.しかし,これら基準が実際の現場で達成されているかどうかの調査報告は見当たらない.今回,関西圏の病院にて,洗浄エリアと点検組立エリアの照度を測定する機会を得たので,報告する.
【方法】
デジタル照度計を用い,洗浄エリアでブラッシング洗浄をしている際の手元の照度と,点検組立時の手元の照度を計測した.
【結果】
2017年から19施設で測定をおこない,洗浄エリアの照度は,平均値509ルクス,最大1550ルクス,最小85ルクス,中央値は450ルクスであり,500ルクス未満の施設が11施設であった.点検組立エリアの照度は,平均値596ルクス,最大1670ルクス,最小200ルクス,中央値550ルクスであり,500ルクス未満の施設が8施設であった.洗浄エリア,組立点検エリア共に約半数の施設が500ルクス未満であった.
<参考文献>(文献1)Guideline for the validation of manual cleaning and manual chemical disinfection of medical devices. ZentrSteril (2013) Supplement(文献2)Health Building Note 13 (HBN 13:2004)