第95回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

臨床工学業務

臨床工学業務

[38] 臨床工学室における5S活動の実践

田中 優衣1, 吉本 和輝1, 前原 友哉1, 藤井 和弥1, 上田 健史1, 小西 智之1, 久保田 篤1 (1.京都山城総合医療センター 臨床工学室, 2.京都山城総合医療センター 麻酔科)

【背景】
5Sとは整理,整頓,清掃,清潔,習慣化の頭文字をとった言葉である.5Sに関わる活動を5S活動と言う.5S活動は職場環境を整備改善し,業務効率を向上させることを目的として,製造業や工事現場などで導入されている.現在A病院の臨床工学室は,循環器部門,呼吸療法部門,内視鏡部門,医療機器管理部門,血液浄化部門がある.部門ごとに医療機器関連物品やそれらに関する書類を多く保管しているが,使用頻度の低いものは管理が煩雑となっている.また,部門への関わりが少ないスタッフや,経験の浅いスタッフは収納場所の把握がしづらく,管理が煩雑なため,目的のものを探すために時間を要していた.今回我々は,業務効率向上の必要性を感じ本研究を計画した.
【方法】
A病院臨床工学室で5S活動をおこなった.はじめに,意識調査として5S活動取り組み前に研究対象者である臨床工学室スタッフ7名にアンケートを実施する.また,5S活動をおこなう前に臨床工学室内で保管している物品・書類について研究対象者がどれだけ収納場所を把握しているか以下の方法で調査する.物品名・書類名を記入した札を用意し,研究対象者それぞれが無作為に10個選び,それらを探し出すのに要した時間を測定,集計する.5S活動開始から2ヶ月後に上記と同様の調査をおこない,集計した結果を5S活動取り組み前後で統計学的に分析する.統計にStudent-t検定を用い,p値<0.05を有意差ありとする.
【結果】
アンケート結果では5S活動後殆どの項目で改善がみられた.物品・書類の収納場所把握に関する調査では,誰もが,何がどこにあるか把握することができるようになった.また,物品・書類を探す時間を統計学的に比較した結果,有意差を認めた.(p=0.044)
【結語】
5S活動により一度整えられた環境は職場として気持ちの良いものであり,自然に維持される.5S活動は業務効率の向上につながる有用な手段である.