第95回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

医療機器管理システム

医療機器管理システム

[42] 医療機器管理システムとRFID管理システムとの連携運用に関する検討

楠本 繁崇1, 平野 匠1, 南 茂1, 高階 雅紀1, 金子 直樹2, 吉田 聖希2, 板垣 嘉一2, 石田 雄作3, 栗原 浩3, 吉田 靖4 (1.大阪大学医学部附属病院 臨床工学部, 2.㈱ムトウテクノス, 3.帝人㈱スマートセンシング事業推進班, 4.大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻 先進臨床工学共同研究講座)

【背景】
当院臨床工学部は,2018年2月より医療機器管理システムHOSMA® Ver.7(以下HOSMA®)の運用を開始し,業務効率の向上を目的にHOSMA®とRFID管理システムRecopick®(以下Recopick®)との連携運用について検討を進めている.
【目的】
Recopick®による機器状態の読み取り率ならびにHOSMA®との連携による履歴管理について検討する.
【対象と方法】
シリンジ・輸液ポンプ,経腸ポンプを調査対象とし,Recopick®とHOSMA®を連携させた.Recopick®により外来・診療棟から返却された機器を自動読み取りし,その読み取りデータをHOSMA®へ送信する.データ受信したHOSMA®は機器の状態遷移をおこない,履歴として管理する.この連携における問題点ならびに改善点を抽出した.
【結果と考察】
Recopick®による読み取りは所定の返却棚ならびに保管棚において実施されるが,運用当初,1.機器の置き方やタグ貼付位置による反応の不具合,2.タグ側の個体差による不具合,3.返却棚と保管棚にある機器の誤認識などの問題があった.帝人㈱で,Recopick®のアンテナシートの設置位置と設置方法,機器に貼付するタグの位置,機器の置き方などの再検証をおこなった結果,安定読み取りが可能な条件を確認できた.当院の環境下でも機器が運用通り置けなかった場合や,読み取りエリアから外れた場所に置かれた場合等を除き,読み取り率は約98.5%となった.一方で,HOSMA®での履歴管理は,Recopick®からのデータを受信し,HOSMA®での「点検(点検待ち)」として,ほぼ問題なく状態遷移することが確認された.バーコードリーダーによる機器返却処理が自動化され,業務効率の向上が図られた.
【まとめ】
Recopick®とHOSMA®の連携は業務効率の向上を示唆している.Recopick®の読み取り率100%に近づけるための運用協議ならびにHOSMA®との連携機能のカスタマイズを継続的におこなっていきたい.