第95回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

医療機器管理システム

医療機器管理システム

[44] 医療機器管理室開設に伴う機器修理依頼対応に対する取り組み

梅崎 遼平1, 江崎 康隆1, 竹本 啓貴1, 田中 宏明2, 谷口 良雄2, 松田 和久 (1.医療法人相生会 福岡みらい病院 臨床工学科, 2.医療法人相生会 福岡みらい病院 麻酔科)

【はじめに】
当院は,平成27年6月に福岡みらい病院として誕生し,統合,合併を経て平成28年4月に418床の病院として稼動した.平成28年9月より臨床工学技士が常勤となり,平成29年1月より医療機器管理室を開設し,機器に関する修理を臨床工学技士で一括して扱っている.臨床工学技士が常勤となる前は,修理や点検は業者に依存しており,機器不良に対する業者への修理費や,高額な点検費用がかかっていた.今回,臨床工学技士が常勤となり,医療機器修理対応窓口を医療機器管理室に一本化することにより,院内修理の迅速な対応と,修理費の削減につながるのか検討した.
【対象・方法】
臨床工学技士が常勤となり,医療機器管理室を開設した平成29年1月から令和元年12月までの3年間を対象とし,院内で起こる機器修理を一本化し医療機器管理室にて対応をおこなった.

【結果】
総修理依頼件数は356件であった.その内,院内で対応できたものは256件(71.9%),院外への修理依頼は100件(28.1%)であった.修理依頼が一番多かったのが,生体情報モニタ関連で97件(全体27.2%),次に多かったのが,離床センサ関連で46件(全体12.9%)であった.院外への修理依頼の割合が一番多かったのは,滅菌関連機器16件で内13件は院外へ修理を依頼した.
【考察】
院内で対応できた修理は71.9%で,生体情報モニタ関連では,院内対応97件中82件(84.5%)で,ほとんど院内で完結することができ,機器修理の効率的な運用と修理費の削減に貢献できたと考える.院外への修理依頼は,機器内部の故障や断線などが多く,院内での修理が難しいものであった.
【まとめ】
臨床工学技士が常勤となり,機器修理を一括して対応することにより,院内でできる修理が増え,効率的な運用ができ修理費削減に貢献できた.