第95回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

材料部教育

材料部教育

[5] A病院における洗浄・滅菌業務の課題抽出に向けた取り組み

岡本 教子1, 久保木 修2 (1.社会福祉法人 恩賜財団 済生会京都府病院, 2.京滋滅菌業務研究会)

当院で取扱っている再生医療機器(以下器械)の洗浄・滅菌業務(以下滅菌業務)は,病棟・外来部門で使用する器械については一次処理を施し院外滅菌センターで再処理されている.一方,手術室で使用する器械は手術室内で完結している.滅菌業務を実施する担当者は,手術室看護師(ORN)が主体となり実施している.今回,「洗浄・滅菌業務チェックリスト:スリーエムジャパン㈱」を用いて当院の現状を評価したので報告する.手術室内での滅菌業務は,独立したスペースや作業エリアが存在しないことから環境面に課題を抱えている.設備および環境面の課題は施設ありきのものであるため直ぐに解決は図れないが,当院は2年後に新築移転を予定していることから設備面の課題は解決の見込みである.評価の合計得点は全体で925/1640点,重要な項目は430/760点であった.特に洗浄,除染プロセスと器械の点検,準備,包装の項目について課題が多いことに気づかされた.一方,滅菌とモニタリングや滅菌物の保管と供給や記録管理については多くの項目がクリアしていることが確認できた.滅菌業務は全体のレベルを向上しなければ質保証に繋がらないことから,課題が可視化できたことは有意義であった.さらに設備面に関してはチェックを実施することで新病院の運営について必要な知識を得ることはできた.