第95回日本医療機器学会大会

Presentation information

Oral presentation

洗浄評価

洗浄評価1

[56] 日本モンゴル教育病院における内視鏡洗浄消毒装置

大西 芳明1,2, 小林 誠司1,2, 藤井 有美子1,2, 佐藤 翔平1,2, 緒方 良輔1,2, 近田 優介1,2, 田中 克哉2, 三好 人正3, 六車 直樹3, 高山 哲治3,ツェレンドルジ ミャングナルマラン4,中澤 一裕5,三好 一眞5,岩井 一訓5 (1.徳島大学病院 医療技術部 臨床工学技術部門, 2.徳島大学病院 ME管理センター, 3.徳島大学病院 消化器内科,4.モンゴル国立医科大学附属日本モンゴル教育病院 医療機器部,5.IHIアグリテック㈱環境プロジェクト部)

【はじめに】
我々は「日本モンゴル教育病院の運営管理および医療サービス提供の体制確保プロジェクト(JICA)」として,BME部門等の運営管理および医療従事者研修を支援する国際貢献に携わっている.
【目的】
オゾン水内視鏡洗浄消毒機(OED-1000V,IHIアグリテック)の新規導入,運用,保守管理について,医療機器製造販売メーカ(以下医療機器メーカ)との産学連携による海外支援プロジェクトを初めて経験したので報告する.
【方法】
我々は内視鏡洗浄消毒装置(OER-2/OER-3,OLYMPUS)の保守管理業務に携わっているが,オゾン水内視鏡洗浄消毒機に関しては未経験であった.そのため,医療機器メーカによる説明会を受講し,海外支援時,病院基幹設備,運用方法等の課題を抽出し,病院側(内視鏡科,BME部門等),医療機器メーカ等と連携して,環境整備を実施した.
【結果】
病院側との環境整備は,上水道設備に軟水装置,バクテリアフィルタの設置,オゾン発生源である酸素ボンベから医療ガス配管設備への新設工事,BME部門の新規業務の確立,内視鏡の乾燥工程として,エアーガン新規導入のため,医療ガス(圧縮空気)配管設備の新設工事等である.医療機器メーカ側との環境整備は,オゾン水内視鏡洗浄消毒機の性能確認(オゾン水濃度),内視鏡洗浄・消毒・乾燥工程および保管状況の現地確認,ATP測定器(Lumitester PD-30,Kikkoman)を用いた内視鏡洗浄消毒,保管状況の清浄度チェック,医師,内視鏡洗浄員,BME部門職員への教育研修等であった.
【まとめ】
新興国の海外施設にて,日本製医療機器の新規導入時,運用,保守管理を確立するためには,現地医療施設の医療従事者および医療機器販売代理店等の協力の下,医療機器のスペシャリストである臨床工学技士による医療機器メーカとの産学連携の共同作業が重要である.