第95回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

洗浄評価

洗浄評価2

[57] 洗浄評価に用いるビシンコニン酸法とクーマシーブリリアントブルー法の比較

益田 奈央子1, 上田 莉子1, 倉本 夏菜1, 谷野 雅昭2 (1.川崎医療福祉大学医療技術学部臨床工学科, 2.川崎医科大学 麻酔・集中治療医学2)

【はじめに】
洗浄評価のためには医療器材の残存汚染を正確に把握することが必要である.洗浄評価判定ガイドライン2012には洗浄後の1器械あたりの残留タンパク質量の許容値は 200μg,目標値は100μgと記されており,抽出液量を考慮すれば極めて低濃度のタンパク質量をより正確に測定することが求められる.今回,同ガイドラインで紹介されているビシンコニン酸(BCA)法とクーマシーブリリアントブルー(CBB)法の2つの方法のうち,どちらがより洗浄評価のために適しているかを比較検討した.
【方法】
BCA法,CBB法ともに低濃度プロトコルを使用した.試料には標準タンパク質としてウシ血清アルブミン(BSA)を用い,25μg/mLまでの検量線を作成し,15μg/mLとなるように希釈したBSAを1試行あたり3検体ずつの測定をおこなった.得られた測定結果はF検定を使用してばらつきの比較をおこなった.
【結果】
BCA法,CBB法ともに16試行48検体で測定をおこない,分散はBCA法,CBB法それぞれ0.155,0.497となり,p<0.0001とBCA法はCBB法に比べて有意に小さくなった.
【結語】
CBB法はBCA法よりばらつきが大きいため,CBB法を用いた場合,不正確な値を示し,誤った洗浄評価をもたらすおそれがより高くなる.洗浄評価のために用いるタンパク質定量法としてはBCA法がCBB法よりも適している.