第95回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

材料部業務管理

材料部業務管理

[7] 洗浄滅菌業務における業務量調査票の改訂

中林 頼子1, 久保木 修2 (1.地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪母子医療センター, 2.京滋滅菌業務研究会)

【背景・目的】
洗浄滅菌供給部門(以下中材)は,汚染器材の再生処理を担っており,感染制御の要となる院内の重要な部門である.以前に比べ中材業務は複雑化し,高度な知識が必要になってきたが,実際の業務について理解されていないことが多く,作業工程の実態も明確になっていなかった.そこで,中材業務を可視化する目的でタイムスタディによる業務量調査をおこない,2019年の本学会で報告した.発表時の今後の課題として,業務量調査を他施設との比較することにより,自施設の強みや弱みなどの傾向を確認し,さらに業務改善につなげるということを挙げていたため,今回どの病院でも使用できる分類表の作成に取り組んだ.
【方法】
前回の調査時には,細かく分類しすぎたために,流れの中でおこなう業務に関して記録が困難であり集計できない作業もあった.そこで,同じ工程でおこなう業務をまとめて,記録しやすいように項目数を減らした.また,小児病院特有の哺乳瓶の洗浄項目に関しては,洗浄作業の中にまとめ,逆に緊急対応や,借用器械対応などの項目を増やした.また,短い時間の作業も多いため,最小調査時間を10分から5分に変更した.何度かのプレテストをおこない,委託職員全員に業務量調査を6日間おこなった.
【結果】
調査票の記録に関しては,委託職員にアンケートと聞き取り調査をおこなった.記録のしやすさは前回のものより記載しやすいという評価であった.業務量調査の結果も,カテゴリなどを減らして項目は変更したが,集計データは昨年とほぼ変わらなかった.
【考察】
記録しやすい作業項目と困難な作業項目があり,改訂の余地が多く残っていると思われた.複数の施設で使用するには,もっとフレキシブルに対応できる項目が必要であると考える.他施設との比較に関しては,比較したい項目を,他施設と連携を取りながら検討していく必要性を感じた.