第95回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

感染防止

感染防止

[74] 当院中央滅菌室におけるRO給水配管消毒の有用性

春口 瑛美, 村田 貴代, 長谷 翔太, 宇野 貴大, 横手 志帆, 前田 圭介, 荒川 恵利加, 藤原 崇晃, 田村 要, 丸橋 達也,藤原 洋未,後藤 智,手島 崇,津田 克哉,北村 雅良 (社会医療法人三栄会 ツカザキ病院 診療技術部 臨床工学科)

【背景】
 2013年12月,高圧蒸気滅菌(以下AC)の入れ替えと同時にACおよびWDに使用するRO純水製造装置(以下RO装置)を導入した.
 臨床工学技士は中央滅菌業務に携わりながら,AC・RO装置の保守点検もおこなっている.
 こうしたなか,2014年にAC運転中に装置内の給水配管に詰まりが発生し,RO水が供給不可能となる事例が2件発生した.配管に詰まった原因物質を分析した結果,バイオフィルムの可能性が高いと考えられた.このためAC給水配管,RO水配管, RO装置いずれかの場所からRO水の細菌汚染が疑われた.これらの場所からRO水を採取した結果,ROタンクおよびAC内の給水タンクから細菌が検出された.これを受けてROタンクに紫外線殺菌灯を設置し,ROタンクからAC給水配管(RO給水配管)までを同時に消毒した.そして,定期的に消毒をおこなうこととした.
【目的】
 定期的におこなっているRO給水配管消毒の有用性について検討する.
【方法】
⑴年1回,RO給水配管を次亜塩素酸ナトリウム消毒し,消毒作業の前後でRO給水配管内の各種ポイントでRO水の細菌サンプリングし消毒効果を判定.
⑵RO給水配管の詰まりにより,RO水が供給不可能になる事例の有無を確認.
【結果】
⑴2015年から2019年の5年間,消毒作業によって細菌数が減少,もしくは細菌が検出されなかった.
⑵RO給水配管が詰まりRO水供給不可能になる事例は発生しなかった.
【まとめ】
 年1回の定期消毒はRO給水配管のトラブル回避に有用であった.
 そして,臨床工学技士の業務である透析液管理の知識,技術が中央滅菌業務にも活かされた