第95回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

呼吸循環

呼吸循環

[90] 健診における血管指標AVI,APIの分布と循環器疾患リスク

渡辺 一夫1, 秋元 崇史2 (1.日本メディカルファンド㈱, 2.健康館鈴木クリニック)

【目的】
医用電子血圧計AVE-1500 PASESA(志成データム社製)を用いて上腕カフより得られる血管指標AVI,APIを測定し,健常者における両指標の年齢別分布傾向を調べ,平均的分布範囲から乖離した受診者の特徴より,両指標の臨床での有用性を検討した.
【対象】
健診受診者(2012年10月1日~2015年8月31日)において判定可能なデータの得られた年齢18~82歳までの1,973名(男性:1,401名,女性:572名 平均年齢45.4歳).
【方法】
対象者の中でBMI,腹囲,血圧,血糖値,コレステロール等の指標が基準値内かつ服薬,既往歴のない健常者(男性:300名,女性:126名)より得られた血管指標AVI,APIから年齢ノモグラムを作成し,両指標の平均的分布範囲に収まる受診者と,そこから乖離した受診者との違いを検討した.
【結果】
1.健常者年齢ノモグラムAVIは男性,女性いずれも有意な年齢相関があった.
2.健常者年齢ノモグラムAPIは女性の場合は年齢とともに上昇傾向であったものの有意な年齢相関は認められず,男性では負の年齢相関が認められた.
3.年齢ノモグラムの平均的分布範囲を外れた受診者では,NIPPON DATA80による10年内の循環器疾患死亡リスクが有意に高かった.
【考察】
循環器疾患リスクの判定にAVI,APIの利用が有効であると思われた.