第95回日本医療機器学会大会

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トレーサビリティ

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[93] 鋼製器具2次元シンボル本体表示位置標準ガイド策定に関する研究

―第1報―

酒井 順哉1, 村田 昭夫2, 住谷 健二3, 黒澤 康雄4, 久保田 英雄5, 白石 裕雄6, 中野渡 寛之7, 那須野 修一8, 並木 秀文9 (1.名城大学大学院都市情報学研究科保健医療情報学, 2.㈱エムエス, 3.ミズホ㈱, 4.東京医療保健大学医療保健学部, 5.東京医科歯科大学医学部附属病院 材料部, 6.一般社団法人日本自動認識システム協会, 7.㈲東奥電気, 8.公益社団法人日本臨床工学技士会, 9.日本医療機器販売業協会システムプロジェクト)

【目的】
(一社)日本医療機器工業会(JAMDI)と(一社)日本医療機器学会(JSMI)は,製造販売業者における鋼製器具として推奨すべき本体ダイレクトマーキング方法,および医療機関ユーザが独自にマーキングする場合や鋼製器具購入時に参考にすべき技術的仕様を2013年12月に「鋼製器具2次元シンボルダイレクトマーキング技術指針」にまとめた.
現在,米国およびEUでUDIルールが法制化されたことにより,鋼製器具の本体表示も一挙に進展すると思われるが,各国の鋼製器具製造業者が独自の位置に配置されることで,病院の材料部・手術部での読取り操作が煩雑になる可能性が予想される.
今回,鋼製器具の形状別に2次元シンボルを推奨表示する最適位置について,製造販売業者2社から提供されたマーキング位置情報を検討したのでここに報告する.
【方法】
JAMDIのUDI委員会・DPM技術分科会メンバーであり,既に鋼製器具に2次元シンボルを表示して国内に出荷しているミズホ㈱とビーブラウンエースクラップ㈱に現在の形状別2次元シンボル表示位置に関して情報提供をして頂き,それぞれの形状における表示位置に相違点などを医療機器UDI標準化委員会で検討した.
【結果】
表示位置を検討した結果,鋼製器具に2次元シンボルGS1 DataMatrixを表示する際に推奨すべき論点は以下の通りであることがわかった.
1)2次元シンボルの表示は「鋼製器具2次元シンボルダイレクトマーキング技術指針」に準拠し,サイズは3~5mm角とする.
2)2次元シンボル表示は鉗子,鑷子,剪刀などの形状別に一定位置の平面エリアに表示する.
3)2次元シンボルは対象位置(真裏)の両面に表示する.
4)鋼製器具の性能を損なわないよう,把持部分や切削部分への表示は避ける.
5)鋼製器具表面が蒲鉾状や棒状で所定の平面エリアが確保できない場合は,DataMatrixを横に並べた「レクタンギュラー」仕様を推奨する.