第95回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

トレーサビリティ

トレーサビリティ

[95] トレーサビリティシステムを活用した手術器械の洗浄不良発生防止体制の構築

遠藤 力1, 長嶺 豊和1, 宮下 達也2, 岩浅 寛美2, 藤田 貴子2 (1.竹田綜合病院 看護部 手術室, 2.竹田綜合病院 看護部 中央滅菌材料室)

【はじめに】
手術器械(以下器械)の洗浄不良は感染の要因と成り得る.さらに器械の再洗浄が必要になり,手術や中央滅菌材料室(以下中材)の業務にも影響を与える.よって洗浄不良を防止する体制構築は管理者の責務といえる.当院では二次元シンボルを刻印した器械を活用したトレーサビリティシステム(以下システム)を運用し,器械個々の使用履歴を管理している.今回そのデータを活用し,器械洗浄不良の現状を分析した.その取り組みについて報告する.
【目的】
システムのデータから器械洗浄不良の発生状況を分析し,その防止体制を構築する.
【方法】
期間:2019年6月1日~10月31日
場所:器械組立室
方法:機械組立時に器械を確認し,洗浄不良情報をシステム登録する.
【結果】 
・手術件数2440件
・延べ使用機械62852個
・洗浄不良49個
・洗浄不良の内訳 粘着糊計25件 整形9件 泌尿器8件 心外6件 他2件 血液計18件 心外9件 外科3件 産婦人科3件 他3件  その他6件 洗浄不良発生の要因では粘着糊の残存が最も多かった.その原因調査から,イソジンド レープや覆布テープの糊が器械に付着していることが判明した.次に多かった要因は血液であり,心臓血管外科手術の血液残存が課題であった.
【対策】
・洗浄不良の発生状況を手術室
・中材にフィードバックする. 
・手術終了後は器械カウントだけでなく,器械の洗浄不良となり得る要因をピックアップし洗浄部門に伝達する.
・中材は洗浄不良発生データを基に洗浄マニュアルを整備し,洗浄不良を防止する.
【結論】
システムデータを活用し,手術器械の洗浄不良発生防止体制を構築した.