第95回日本医療機器学会大会

講演情報

教育講演・次世代へつなぐ

教育講演・次世代へつなぐ5 臨床工学技士の手術室業務の現状と未来

座長:宗万 孝次(旭川医科大学)

[教育講演・次世代へつなぐ5] 臨床工学技士の手術室業務の現状と未来

菊地 昭二 (東北大学病院 診療技術部 臨床工学部門)

現在,当院の手術室は22室で年間手術件数は約1万件に達する.手術室での臨床工学技士は医療機器の安全使用と円滑な手術実施に関する支援をおこなうことが主な業務である.当院の手術室における臨床工学技士は外回りが2名,体外循環業務に3名を配置しているが,曜日や症例により他の配置先からスタッフの配置調整が必要な場合も多々見られるように変化しつつある.
従来,臨床工学技士の手術室業務は機器操作や管理が主で人工心肺,麻酔器,モニタ,内視鏡システム,エネルギーデバイス,映像システム等の管理の他,近年はロボット手術,脳外ナビゲーションシステム,ハイブリット手術室を利用したIVR治療への参画や,一部ではあるが清潔野での機械出し等の業務についている病院もある.また働き方改革の影響を受けタスクシフトにより臨床工学技士の業務は増加傾向にある.
我々臨床工学技士は,病院ごとに手術室業務における業務が微妙に異なり,平準化することが難しく,組織化や教育などの面において立ち遅れているのが現状であるが,臨床業務の忙しさに追われ,臨床工学技士の将来像が見えていないとも考えられる.
今回,日常的な医療機器操作や機器管理から一歩離れ病院組織の中で臨床工学技士は何ができるかについて考えてみたい.